第二十五話 少年期G
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俺の様子に微笑ましそうに笑いながら、お兄さんもテレビの画面に目を向ける。俺はスポーツ系は特に野球とかサッカーとかバスケとか、団体で点取りを行うものをよく見ていた。個人プレーの多いミッドのスポーツも面白いが、団体戦の熱さも捨てがたい。
お兄さんも野球に興味を示してくれているし、ここは宣伝しておかなければ。やっぱり語れる人ができると嬉しいし、共通の話題があると話も広がるものだ。
お兄さん自身は幼いころから仕事一筋だったからか、スポーツとはあまり関わってこなかったらしい。ならばここはちきゅうや宣伝長として、地球…というか日本の良さを存分にお伝えしようと思う。偏りがでてしまうが気にしない。俺日本大好きだもん。
その後、テレビでホームランが打たれた瞬間2人で盛り上がってしまった。イエーイってノリでお互いにハイタッチしました。後でお兄さんがノリを思い出して、顔真っ赤にして恥ずかしがっていました。スポーツは人の心を豊かに、そして若くする…って適当にフォロー入れときました。
なんかお前って枯れているよな、と仕事の同僚さんに言われるぐらい趣味も潤いもなかったらしいお兄さん。俺の「若い」って単語にめっちゃ反応されていました。20代ぐらいなのに枯れているって…、どんなけお仕事大好きなんですか。
それからそこそこ打ち解けられたお兄さんと別れた。なんか「趣味は仕事です」って素で答えそうなお兄さんの後ろ姿に、19歳になっても色気よりも魔法と公務な人を思い出した。……ちょっと気にかけようかと思いました。
******
「よっしゃ、お小遣いゲットだぜ」
『よかったですね。無駄遣いしてはダメですよ』
「わかってるよ。うーん、でもせっかくの初給料だからアリシアにお菓子でも買って行ってやろうかな」
あれからコーラルとお店を出て、クラナガンの街並みを一緒に歩いている。お兄さんの案内が終わった後、店主さんからお金をもらいました。髪をぐしゃぐしゃにかき回されたが、それでうまいものでも買ってこいと見送ってくれました。
もらった金額は、安いものなら2人分は買えそうなぐらいある。ちきゅうやで買ってもよかったが、散歩もしたかったしな。そのためコーラルと2人でぶらぶらしながら、新しいお店探しをすることにしました。
「クラナガンって何回も来たことあるけど、人が本当に多いな」
『そうですね。でもこれからは都心で暮らすことになりますし、いずれ慣れていきますよ』
「そんなものか」
俺たちの引っ越し先がほぼ決まったのは少し前のこと。森に囲まれて育った俺とアリシアは、このたび都会っ子になることが決定したのだ。まだ引っ越しはしていないが、ここクラナガンで暮らすことになる日はそう遠くない。
どんどん変わっていく俺の
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