第二十五話 少年期G
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ね。…なによりインパクトがあるから印象残りそう』
「あの、コーラルさん。俺普通の杖がいいんだけど。ごめんなさい、ちゃんと杖にする機会を増やしますので」
『ロケットパンチができるデバイスって……夢が広がりません?』
「よくぶん投げたり、空に飛ばしてすいません。だから戻ってきてください」
デバイス起動した柄の先がロボットの上半身になるのはいやです。マスター置いて肉弾戦したり、腕飛ばすデバイスは勘弁してください。こういう時のコーラルは冗談か本気かマジでわからない。ほっといたら本当にやりかねないので必死に頭は下げた。
「けどなぁ、趣味でやっているとはいえやっぱり客は欲しいな。手伝いもあるといいんだが……アル坊、さっき宣伝とか言っていたのを本格的にやったら増えるだろうか」
マスター置いて店内を見回りに行ったデバイスは置いといて、俺は店の奥の椅子に座って店主からいただいたお茶を飲んでいた。そこに店主が口元に生えた髭を撫でながら聞いてくる。内容はまぁ確かに店をやっているのだから当然の悩みだろう。
趣味とはいえ、経営もタダではないしな。つまり店主さんはちきゅうやを宣伝したいってこと? そりゃ面白そうなのは認めるけど、なんかこの店が世に出てしまうのは果たしていいことなのか疑問が出てくるんだが。母さんとコーラルの様子を見ていると、ミッドの人が変なものに目覚めそうであれなんだけど……。
「ちなみに客が増えたら給料だすぞ」
「全力で頑張ります」
さっきまでの思考は空の彼方へおさらばした。俺は過去を振り返らず、未来に進む。キリッ。別に店を宣伝するだけなら何も問題ないでしょ。転生して初めてのアルバイトだし、気合入れて頑張りますか! ……だって子どもの時のお金事情ってかなり大変なんだよ? 本当に。
「すいません、……おや君は」
「ん、おぉらっしゃい。アル坊、ちょっとすまんな」
俺と一緒にとなりの椅子に腰掛けていた店主は立ち上がり、店に入ってきた男性のもとに歩いていった。男の人は俺たちの会話に割って入ってしまったことに、申し訳なさそうに頭を下げる。俺は慌てて首を横に振って、気にしないでほしいことを伝えた。
直接こんな風に会ったことはなかったが、確かちきゅうやの常連客の人だったと思う。時々お店の中で見かけたことがあった。同じように、お兄さんも俺のことを見たことがあったのかもしれない。
年は副官さんとくまのお兄さんと同じぐらいか、もう少し上かもしれない。店の奥にある日本とは違う海外ブースの方でよく見かけたな。礼儀正しい好青年って感じだけど、この店の常連客って時点で俺の中では変わった人認定されている。文句はこの店の胡散臭さに言ってください。
他にも常連客の人は何人か見たことがあるが、顔ぶれはそうい
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