第二十五話 少年期G
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
き込んでくれやがったのですか」
「ふむ。言葉遣いにツッコむべきか、内容にツッコむべきか……迷うな」
『どっちも大差ないような気もしますが』
いや、聞けよ。俺は怒ってんだぞ。しかし店主は俺の言葉を聞いてもいつも通り飄々としているだけ。むしろ見てろ、華麗にツッコんでやると言わんばかりの表情だ。またテレビになんか影響されたのか、このおっちゃんは。店頭にならんでいる物にハリセンや出っ歯が置かれているのを見て、正解かもしれないと思う。
「今度は何に影響されたんですか。この前までギター片手に歌っていたのに」
「あれもよかったな。地球の文化は俺のパッションを高めてくれる。お前の母親も良さをわかってくれたし」
「やっぱり原因あんたか」
敬語がとれてしまった、反省。しかし相変わらず趣味に全力そそいでいますねー。俺は『ちきゅうや』とかかげられたお店の看板を眺めながらつくづく思う。このお店は目の前にいる店主の趣味で作られた第97管理外世界である「地球」の専門店である。だけど全然本格的なものではなく、集められている物もかなり偏りがあったりするのだけど。
海外のものもいくつかあるが、意外に日本のものが多く取り揃えられていたりするのだ。ダイヤル式のテレビがあったり、駄菓子が並んでおり、昔懐かしいインベーターゲームの音が流れている。これ……明らかに昭和だよな。原作の過去だからか、地球の年代も過去のようなのだ。
オーバーテクノロジーに混ざる20世紀。どっかのスーパー5歳児の映画を思い出してしまった。異様だが、これがなんか新しいと地味に評判があるらしい。物好きに。あれか、新しいものに囲まれていると昔のものに食指が動くという感じなのだろうか。
ちなみに以前何となく日本の物が多い理由を聞いてみたら、とある日本食に感銘を受けてから興味を持ったとのこと。おぉ日本食愛好家か、と仲間ができたみたいで嬉しかった。「食べてみるか?」と言われて二つ返事で了承して出てきたものに涙が出そうになったけど。おいしかったよ? 3分で出来上がるし、日本が作ったことには変わりはないしさ…。
「しかし店に来たのはアル坊の母親と妹の方だぞ。買い物帰りにちょっと寄ってみたって前に聞いたしな」
「なんでこんなおかしな店にわざわざ足を運ぶんだ。なんか宣伝でもしたんですか」
「常連客のくせにひどいな。残念ながら相変わらず客足は馴染み客ばかりだ。しかし、アル坊が呼んでくれたわけじゃなかったのか」
「当たり前でしょう」
「さすがに傷つくぞ」
おっちゃんがそんな軟じゃないのは知っています。こんな混沌とした空間に誰が家族を招待しますか。母さんが古そうなレコード流してうっとりしているのを見た時は吐血しかけたぞ。めっちゃ懐かしい曲が家に響いて、俺がヘルプ! って言いた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ