霧の森
さらに奥へ
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謎の吟遊詩人に二つ名を貰って後、改めて探索を行うことにした。
セリナが創ってくれたクレーターを出て東に向かいようやく目的地に着いたのは霧の森・最奥部。そこは晴れることのない霧が立ち込め一種の迷宮を作っている。
「さてと、説明するぞ。このエリアの中央付近に巨石があるんだがそこには古の龍が封印されているんだ。大昔この辺り一帯を大洪水が襲って大きな被害が出た。その元凶が封印された龍だ。
その龍の封印された巨石の確認だ。まあ、割れてないかだな。」
お互いを太いロープで迷子にならないよう結んで、俺が前を行きセリナがそれに続く。
「それってどれくらい前なの?」
「神話の時代だから少なくとも4000年前だな。因みに今年が新暦137年。」
ここで一つこの世界の説明。この世界には複数の暦があり今が新暦、その前が前暦、その前が元暦、それまた前が旧暦、そして神暦。それぞれが大体1000年で代替わりしている。本当はこう言わないがオレに搭載された翻訳プログラムはこう翻訳した。
「前から気になってたんだけど誰に説明してるの?」
「画面の向こうの方々だ!」
「バカじゃないの?どこかにカメラでもいるの?」
「心のカメラだ!」
「バカみたい。」
まったくもってその通りだ。
魔法の地図アイテムを頼りに真っ直ぐ(のはず)に行く。
途中スライムやら触手やらと遭遇したがオレたちのチートなパワーで蒸発させた。主にオレのチートな炎でだが。
「ところでさ、カズヤはどうして冒険者になったの?」
「んー、まあ理由はセリナとほとんど同じかな。冒険者なら身寄りのないオレでも受け入れてくれそうだし、何より自分のチートなパワーを生かすにはこれしかないって思ったんだよ。」
「ふーん。」
「もしかして興味なし?」
「うん。」
「ひどっ!」
自分で訊いといて興味なしとか。ひどいわー。凹むわー。
「っと、そろそろか。」
アイテム上のアイコンは目的の巨石に近づきつつある。
「セリナ、今から能力を発動させるなよ。相手は水属性、よく通電するしヤツはかなりの湿気を纏っている。下手にやれば周囲に被害が出る。」
「わかった。」
「何があっても発動させるなよ。例え巨石が割れても。」
「わかったわよ。」
「絶対だぞ。」
「わかったって言ってんでしょ!」
「うぐっ!?」
いきなり腰に結びつけたロープが締まった。そして身体が後ろに引っ張っられた。
「どわっ!?」
「きゃっ!?」
オレは受け身をとろうと身体をひねった。セリナの嬌声も聞こえたが気にする余裕はない。
「ううん……。」
なんとか受け身はとれた。しかしこの柔らかいものはなんだ?コケではないようだが
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