第一章 グレンダン編
道化師は手の中で踊る
和解と怒りとetc……
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「陛下」
「言い訳禁止!! ちょっと、グレンダンの最高戦力が寝てる奴に気づかれるとかどういうことなの!?」
断っておくと、天剣たちの殺剄は完璧だった。
ただアルシェイラの気配察知の方が上だっただけだ。
「あら? ミンスも来ると思ったのに。まったく暗殺を他人に任せるなんて言語道断よ」
「陛下、ミンス様は逃げておりません。策を実行中でございます」
「ダメ、ていうかあんたたちの言い分を聞きましょうか? カルヴァーン」
カルヴァーンは片膝をつきながら、アルシェラに言った。
「最近の天剣授受者の採用……」
「没、あれだけの戦いを見せて天剣にするなってのは横暴。はい、次」
サヴァリスは微笑をかなぐり捨てて、ニヤリと獰猛な笑みを浮かべながらこう言った。
「陛下と戦いたくて」
「それだけ?」
「ええ、それだけです」
「つまんないなぁ……、次、カナリス」
だが、カナリスは無言で天剣を復元する。
この行動にアルシェイラは目を見開き、驚く。カナリスとは小さい頃からの付き合いだ。
その性格はわかっているつもりである。
「へぇ、カナリスがねぇ。次、バーメリン」
「クソ陛下、死ねっ!!」
天剣ではなく、シキが持っているのと同じ銃を復元し、トリガーを引く。
しかし、アルシェイラは手を軽く振って銃弾を弾き飛ばす。
「ふぅーん? あんたが来るなんてね。で、最後にカウンティアは?」
「バーメリンと同じ。なんでシキがあんな目に遭わないといけなかったの?」
それを聞いて、アルシェイラの表情に影が見えたが一瞬のことなので誰も気づいていない。すぐに笑みを浮かべる。
「なら、私に勝てばいいのよ。言い分は聞いてあげるかもね」
「しかし陛下、バーメリンさんは殺す気ですが?」
「あー、そうね。それは聞けないわ」
そこでカルヴァーンの言葉が遮る。
「……陛下、『かもね』という発言は撤回してもらいたい」
「勝つつもり? 気概はもらうよ、だけど」
「黙れ、クソ陛下!! シキに土下座しろ!!」
バーメリンは引き金を引いているが、ハエを叩くような動作で弾き飛ばしているため、アルシェイラにはダメージが入っていない。
「そうね、負けるつもりで戦うわけじゃないし」
カウンティアが薙刀を復元した。
それに続いて、天剣たちが武器を復元していく。
アルシェイラは吹き出し、大声で笑いこげる。
こんな楽しいのは、シキと過ごす時間くらいかと思ったが根っからの武芸者だったらしい。アルシェイラも戦いに悦を感じる種類の人間だったらしい。
「そういえば、陛下は先ほど我々の体たらくを怒りましたね?」
サヴァリスがそう言うと、アルシェイラは笑いを止めて、サヴァリスの言葉に耳を傾ける。
「実は僕たちは正々堂々、戦うつもりでした。……それ
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