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SAO編−白百合の刃−
SAO36-白の妹、黒の兄
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場合は負けてしまったから私以上に納得もしていないだろうし、府に落ちないところはあるだろう。

「これで10勝10敗か……」
「あんまり嬉しそうにないな」
「気持ちは、まだ9勝の気分だよ。さっきみたいに気持ち良い回避をして、綺麗に勝ちたかったのに…………たまたま運良くて勝った実感がわかない」

 要望通りに試合は終わって日向ぼっこという休みができる。望んでいた結末と違った。上手くいかないと思いつつ、私はため息を吐きつつ芝生の上に座り込み、ちびちびとポーションを口に入れた。

「それにしてもお前……やる度に速くなっているな。特に長期戦に突入すると当てるのが難しい」
「難しいと言いながら、すぐに対応できているじゃない。嘘つきはアスナに嫌われるよ」
「別に嘘ついてないだろうが」
「まぁ、私としては疲れる前に即行で終わらせたいんだけどね…………長期戦になったとしても、当てられたら意味ないし、兄のように反応が良くて対応されちゃったら、こっちが疲れるだけだよ」
「それでも長期戦の方が勝率良いだろ。俺はまだ一回しか勝ってないんだぜ」

 兄の言う通り、私の10勝は全部長期戦で勝ったものだった。負けたのは兄が言う長期戦一回と、それに入る前の九回目だ。SAOの二刀流使いにしてSAO最強であるヒースクリフと戦えた相手に10勝できることは我ながら良く勝てたなと実感する。
 でも逆に言えば、一度も長期戦以外で勝てていない。長期戦に入る前にやられてしまえば終わりだし、得意と言われる戦いもできなくなる。そして二度がないまま終わることだってある。
 なにはともあれ、回避し続ければ問題ない。当たらなければ私が負けることはない。
 とりあえず今は……。

「しばらく休憩〜」

 細かいことは後回しにして、しっかりと休もう。あんまり深く考えず、空を眺めてボーとする時間が私には必要だ。
 仰向けになって寝転がると、隣に座り込みポーションを飲み干した兄が訊ねてきた。

「そう言えば、お前妙に二刀流に慣れているよな」
「そりゃ、20戦もやれば慣れるって」
「いや、最初から慣れている感じだっただろ」
「そうなの?」
「対応が手慣れていたというか、完全に初見ではなかったような気がするんだが……」
「うーん……スラッシュリザードマンとか二刀流だからかな」
「モンスターとプレイヤーは違うだろ」
「それもそっか」

 二刀流の兄と戦ったのは今日が初めだ。そして一試合目は私の負けだった。やはり二刀流を対処するのは難しく、ましてや兄が強すぎるのもある。でも思っていたほど、手こずるはなかった感じはあった。
 心当たりがあるとすれば、イリーナさんと戦ったからかな。異なる二刀流だったけど兄と同等かそれ以上の強い相手と戦ったから、それで少しでも慣れたかもし
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