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SAO編−白百合の刃−
SAO36-白の妹、黒の兄
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「そろそろ再開するか」
「そうだね」

 兄の言葉に同意し、私も立ち上がる。
 遅めのお昼休み。アスナとドウセツが作ったサンドイッチのお弁当を食べ終えた私達は再び刃を交じり合うことになる。そして特訓という名のデュエルを再び始める。
 オプションは初撃決着モード。それをニ十回ほど、キリトとのタイマンデュエルを受託していた。
 相手は最強の一角である『黒の剣士』キリト。この世界で唯一使える、黒と白の剣を持つ二刀流使い。そして私の双子の兄でもある。
 特訓とはいえど、私と兄は本気で勝とうと刃を振るう。負けないし、絶対に勝つつもりでやっている。けど、正直兄に勝てる可能性なんか曖昧な自信でしかない。トータル的に考えて、私よりも兄は何倍も強い。この特訓で、私の得意な回避をこの数時間で掴みかけてきている。回避した先に兄が振るう剣があったのが何回もあった。私としてはこんな恐ろしいことはないと思うけど、それは私にも言える。この数時間で兄の二刀流はだいたい掴んできた。
 あとは、頭を冷静に回し、判断を怠らず、どんな状況でも対応できる適応力に加え、確実に回避してからとどめを決める決定力さえあれば格上の相手だって勝てる、はず。
 でも、どんな相手でも当たらなければ問題ないことは私の信念だ。思うがままに、必死でなんとかすれば大丈夫。私は回避をして一撃を与えるだけ。
 それだけで十分だ。
 
「…………」
「…………」

 兄との間合いを取り、数秒後デュエルの合図が鳴る。始まっているのにも関わらず、兄は動かないで静止している。私も同様に静止して兄の動きを伺いつつ、警戒心を高める。そのせいで妙に時間の流れが遅く感じた。
 …………。
 …………。
 …………。
 ……静かすぎるわね。
 静かすぎて不気味で恐怖だ。一歩でも動いたり、気を逸らしたりすれば全てが終わりそうなくらい緊張感が漂わせる。その原因は目の前にいる人物、私の兄のせいにしたい。
  動けない状況。そんな痺れた状況を打ち消してくれないだろうか。そう思った瞬間、世界は動き出す。
先に仕掛けてきたのは兄だった。それに伴い私は対応の準備を向かい受ける。
 兄は沈み込んだ体勢から一気に飛び出し、まるで滑空するように地面ぎりぎりに突き進み、右手の剣を左から右へと横に斬り払ってきた。
 兄が一気にスピードをかけて攻撃することは、だいたい予想をしていた。でもそれは、私がそれを避けてくることを兄も予想しているのだろう。
 ならば、状況を一転させるような流れを変え、兄が私に対する対処や予想をぶち壊そうではないか。仕切り直して流れを私に持ってこさせる。
 私は今までやったことない技を使用した。せっかくの特訓だ挑戦できることは恐れずにやるべきだ。
 薙刀を長い柄を垂直の柱のように地面へ突き立てる
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