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戦国御伽草子
参ノ巻
守るべきもの

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日月が出ているよ。見てご覧」



 あたしは首を振った。顔を上げられなかった。



 ごめん、ごめんね由良。わざと傷つくようなこと言って。



 あたし、あんたが三浦に振られたせいで恋に臆病になってしまうのが怖かったの。



 あんたには幸せになって欲しいのよ、由良。



 婚姻すら自分の意思では自由にできないこの戦の世でも、いいえこの戦の世だからこそ、一生に一度出会えるか出会えないくらいの恋をして、幸せに暮らして欲しいの。例えそれで、あたしが憎まれても…。
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