機動戦士ガンダムSEED
0167話
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しばらく部屋でマリューと話をしていたが、当直だという事でマリューは既に帰り、部屋には俺一人になっていた。そのまま何となくムウから貰ったグラビア雑誌を読んでいると、唐突に艦内にアラートが鳴り響く。
「……キラか」
恐らくラクスを連れ出してザフトに返そうというのだろう。
「アクセル・アルマー、至急MS格納庫へ向かってくれ!」
部屋に通信を送ってきたのはナタルだった。その顔は珍しく焦っているように見える。
……無理もないか。偶然とは言え折角捕虜にしたプラント最高評議会議長の一人娘が連れ出されたのだから。
「ああ、構わないが……このアラームは何だ?」
「キラ・ヤマトがラクス・クラインを連れ出した。もしかしたら追撃を頼むかもしれん。フラガ大尉のメビウス・ゼロも修理は完了しているが、さすがにMSを相手にするのは厳しい。ブリッツの出撃準備をしておけ」
「了解」
短く答え、ムウに貰った雑誌をベッドに放り出してパイロット控え室に向かうと、そこには既にパイロットスーツに着替えたムウの姿があった。
「アクセル、坊主が嬢ちゃんを連れ出した!」
「ああ、ナタルから聞いている。ザフトに返すつもりだろう」
「だろうな。だが、あのクルーゼがそのままで済ませると思うか?」
……なるほど、クルーゼ。クルーゼか。あの危険な男をこの場で始末するチャンス……か? 少なくても可能性はあるだろう。特にブリッツはミラージュコロイドで敵に気が付かれる可能性も少ない。
「無理だな。恐らく人質を返した途端に牙を剥くだろう」
「お前もそう思うか。なら」
「ああ。出撃準備だな」
お互いに頷き、MS格納庫へと移動して各々の機体へと乗り込む。
OSを起動させると、キラがオープンチャンネルで流している放送が聞こえてきた。
「こちら地球連合軍。アークエンジェル所属のMS、ストライク。ラクス・クラインを同行、引き渡す。ただし、ナスカ級は艦を停止。イージスのパイロットが単独で来る事が条件だ。この条件が破られた場合、彼女の命は保証しない」
……さて。
「ブリッジ、聞こえるか」
「アクセル? どうしたの?」
こちらからの通信に出たのはマリューだった。部屋で話していて既に慣れたのか、俺の名前をアクセルと呼び捨てにしても特に違和感はない。
「ムウとも話したが、あのクルーゼがストライク一機で出撃しているこのチャンスをみすみす見逃すとは思えない。恐らく仕掛けて来るぞ」
「……そうね。確かに」
「メビウス・ゼロは相手が動いてからでないと出撃出来ないが、ブリッツにはミラージュコロイドがある。ミラージュコロイドを展開したまま慣性移動で出撃したいと思うが、許可を貰えるか?」
「……バジルール少尉はどう思いますか?」
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