暁 〜小説投稿サイト〜
とあるの世界で何をするのか
第十七話  買い出し
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
石、野犬、ロケット・ビスケッツ、ブラッディ・ビスケッツ……」

 こっちもやっぱりツッコミ所満載だ。“W”は逆さまになってるし、“G”と“Z”が入れ替わってるし、日本がアメリカになってるし、二つの名前をくっつけて何かカッコよくなってるし、こっちは女が男になってるし、確かに“米”っていう字は“八十八”で出来ているって良く言うけどそのまんまで使ってるし、“猿”が“犬”になってるし、もう一回“猿”が“犬”になってるし、ついでに更にもう一回“猿”が“犬”になってるし、“P”が“R”になってるし、“黒”から“血”になって怖さがより一層増してるしっ!!

 とまぁ、またもや心の中で一気にツッコミを入れたわけだが、この世界には一一一(ひとついはじめ)という超人気アーティストが居るはずなのだ。というわけで、最新作コーナーへと足を向けてみる。

「おぉ、まるまる一つのコーナーを占拠してる」

 このCD売り場のほぼ中央に少し開けた場所があるのだが、そのど真ん中に一一一専用コーナーが設けられていたのである。一応、最新のアルバムは試聴できるようになっているのでしばらく聞いてみたのだが、とてもこの曲にお金を払う気にはなれないなと思いそのままコーナーを後にした。

 その後、ネタの元すら分からないような売れてないアーティストなんかを見ながら移動しているときにそれを見つけた。

「あれ、ここにも一一一(ひとついはじめ)が……?」

 しかし、よく見てみるとそれは『ひとついはじめ』ではなかった。

「はぁ? 『にのまえかずひと』っ!?」

 ジャケットの写真は確実に一一一(ひとついはじめ)ではなかったので、良く見てみると『一一一』と書かれている下に『NINOMAE・KAZUHITO』と書いてあったのである。なお、“一”と表記して“にのまえ”と読む苗字は実際にあるらしい。

 しかし、この世界のキャラをこの世界の中でパクってるってどうなんだろう。しかも、漢字そのものが全く一緒というのは、問題があったりするのではないだろうか。でも、こうやってCDショップで売ってるわけだし、大丈夫ということでいいのだろうか。その辺りは、とても謎である。

 こうも色々と心の中でツッコミまくると、さすがに何だか運動とか能力の使用とは違う奇妙な疲れを感じたので、CD売り場から出て休憩所で一休みすることにした。休憩所には自動販売機が壁側に並んでいて、休憩用のベンチとテーブルがいくつか置いてある。新学期が始まって最初の休日ということもあって、この家電量販店もそこそこの人出で賑わっているようだ。恐らく新生活が始まって、ちょっと足りなかったものなんかを買いに来たりしているのだろう。

 取り敢えず俺は自動販売機で冷た〜いおしるこを買って手近なベンチに座る。一口飲んでみるが普
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ