投刃と少女
とある情報屋、失神する
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ら涙ぐんでいるけど、自業自得なのでスルーさせて頂こう。
シェイリ曰く、アイテム補給ついでにNPC露天商の品揃えをチェックしていると、前々から欲しかった装備が格安で販売されていた。
一も二もなく飛びついたシェイリだったけれど、二人分の回復アイテムを買い込んでしまったせいでお金が足りない。
僕の分の代金は後で清算するという形をとっているため、泣く泣くその場を離れ、アイテム代を受け取るべく戻ってきた───ということらしい。
と、まあそれはいいとして。
───アルゴの言ってた新規モンスターっていうのも、きっと
シェイリのことなんだろうな、と思いつつ、トレードウィンドウを開きながら盛大に溜息をつく。
血のような赤いエフェクトというのは、シェイリがモンスターを攻撃した時に散った破損エフェクトに違いない。
『血が足りない』という台詞は、きっと戦闘後の『えへ、まだ(斬り)足りないなぁ』という呟きが、人から人へと伝わるうちに尾鰭をつけられたんだろう。
蓋を開けてみればなんともお粗末な結果だ。
───アルゴがこの情報を売り出す前でよかった……。
この噂が広まろうものなら、危うく敵と間違えられてPKされるところだった。
ツレがモンスターになりまして、なんてことになったら笑えない。
「えへ、ユノくんありがとー!また行ってくるね!」
お金を受け取り、笑顔で部屋を後にしたパートナーを見送りながら。
風呂場で失神しているであろうアルゴを起こすべく、僕は椅子から立ち上がった。
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