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とあるβテスター、奮闘する
投刃と少女
とあるβテスター、密会する
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一向に引き下がる気配がないんダヨ。もうわけがわからン」
彼女にしては珍しく、お手上げといったように首を振るアルゴ。
そんな情報屋の姿を眺めながら、僕は頭の中で情報を整理していく。

あれほど反βテスターを掲げていたキバオウが、元βテスターであるアルゴに頼ってまで、とあるプレイヤーが持つ『アニールブレード+6』を買い取ろうとしている。
武器自体は大して珍しいものではないし、40000コルもあれば自力で同じものを作ることができる。だというのに、何度断られてもそれを諦めようとはしない。
となると、キバオウの目的は。武器そのものではなくて、その武器を持つプレイヤー個人に対する何か、ということになる。

わざわざ相手の武器を、相場以上の金額で買い取りたがる理由。
自分が使っている武器より高性能だから、という理由ではないだろう。確かに昨日キバオウの持っていた武器よりは高性能だけど、それなら元手の40000コルを使って自作すればいい。
わざわざ一週間もの手間をかけてまで、相手の武器に固執する理由にはならない。

だとすれば、残る可能性は。
メインウェポンを奪うことにより、そのプレイヤーの攻撃力を大幅に弱体化させることによる妨害工作───

───でも、どこでそれを……?

キバオウが大金を積んでまで妨害したがる相手となれば、相手は恐らく元βテスターだろう。
だけど。昨日あの男が言っていたように、『βテスターは自分達を見捨てた』と思っているプレイヤーも少なくない中、わざわざ自分がβテスト上がりであることを名乗り出る者はいない。
となると。キバオウがそのプレイヤーをβテスターだと断定するには、裏付けとなる情報が必要となってくる。

「アルゴ、キバオウがβテスターの情報を買ったってことは───」
「見くびってくれるなヨ、ユー助」
「あ……」
そう思って頭に浮かんだ疑問をそのまま口にした僕は、言い切る前にアルゴに遮られ、それが失言だったことに気が付いた。

「いくら金を積まれよーガ、ベータの情報だけは売らないヨ。それはユー助も知ってるダロ?」
「ごめん……」
アルゴの言う通りだ。彼女はいくらお金を積まれても、β時代の情報だけは絶対に売ることはない。
そうでなければ。β時代と同じ名前でプレイしている僕が、“今頃無事なわけがない”。
アバターの時とは見た目が違うし、僕も人前では顔を隠しているとはいえ、そんなものは所詮は気休めだ。
アルゴがβ時代の情報をお金で売るような人物だったら───彼女の情報網にかかれば、それもそう長くは続かなかっただろう。
ある意味、僕が今日まで生きてこられたのは、『βの情報は絶対売らない』と言い切っているアルゴのお陰といってもいい。

「それにしても珍しいナ、ユー助が他人をそこまで気にするナン
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