第4話
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るゲーセンや本屋などに入るが、イッセーは何処か上の空のままだ。ふらふらと歩いているから誰かとぶつかりそうにって、ぶつかったか。
「すいません、大丈夫ですか」
ぶつかったのは小柄なシスターで、どうやら日本語が通じていないようだ。
『連れが失礼をしました。手を』
『あ、ありがとうございます』
私が英語で謝罪するとそれにシスターが答えてくれた。
『申し訳ない。私の連れは少し悩み事がありまして、気分転換に街を歩いていたのですが気分は晴れなかったようで』
『そうですか、あの、懺悔をなさいますか?』
『いえ、自らの過ちにではなく、今の自分の無力さを嘆いているのです』
『それでも、誰かに話す事で救われると言うのなら』
『聞いてみます』
「双葉、彼女はなんて言ってるんだ?」
「とりあえず謝罪は済ませて、逆にイッセーの事を心配された。悩みがあるのなら話を聞く。無関係だからこそ、気軽に話せるのでは?ってな」
「こんなこにまで心配されてるのかよ」
イッセーが落ち込むが仕方ない。商店街のおばちゃんたちも心配そうにしてたからな。
「それでどうする?」
「そんな事言っても彼女、日本語がわからないんだろう」
「だからこそ気軽に話せる。独り言だと思えば良いんだよ。少しはすっきりする」
「……そうだな。頼めるか?」
「分かった」
『連れの方の了解も取りました。どうか連れの事をお願いします。ここではなんですから一緒に食事でもいかがですか。連れの、親友のこともありますし奢らせてもらいます』
『いえ、そこまでされなくても』
『いえいえ、私に出来なかったことをして貰うのですから、是非ともお礼をさせて下さい。心苦しいのであればまた別の機会にでも相談に乗ってもらえれば構いませんので』
『ですが、いえ、ではお言葉に甘えて』
そのままシスターとイッセーを連れてマックに向かう。イッセーにシスターと共に席を取りに行ってもらい、そのまま懺悔をするようにだけ伝えておく。その際、周囲に聞かれるのも嫌だろうから遮音結界の効果を持つ石に小宇宙を込めてイッセーに持たせておく。私は適当に三人分のバーガーセットを頼み、少し時間をおいてからイッセー達の元に向かう。
「少しは落ち着いたようだなイッセー」
「双葉、ああ、話してみれば結構すっきりした。もう大丈夫だ」
テーブルに三人分のバーガーセットを置いて席に座る。イッセーは早速包みを開いて食べ始める。私は先にシスターにお礼を言うことにする。
『今回はありがとうございます。親友も話せてすっきり出来たようです』
『そうですか、少しでも力になれて良かったです』
『こいつが誰かを本気で好きになるのは初めてなのです
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