過去と異世界
神と公式
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とな」
「ちょっとなってなんだよ」
「いやぁ、思っきり使われたんだよ、色んな神器をな」
「……ご愁傷様です」
これで合点が行った。
グランシェが女性相手に負けたのは、神器があったからだろう。
自分でその恐ろしさを体感させられたのならそりゃあ信じるよね。
身をもって体感させられた訳だ。
可哀相に。
俺、ムキムキじゃなくて良かった。
と、話が一段落した時。
そのタイミングを見計らったかの様に教会の扉が開いた。
「お前達!!何者だぁっ!!」
「こらっ、レミント、静かにっ」
人影は2つ。
レミントと呼ばれた男の子と、それをたしなめた女の子だった。
「貴方達は何者ですか?どうやってここに侵入を?」
「あ、いやぁ〜、よく分からんのですよ」
何故か通じる言語。
グランシェが不思議そうにするでもなく弁解する。
「まぁ良いです」
「えっ、良いの!?」
「うるさいレミントっ!!」
レミントとやらを再びたしなめてから、こちらに向き直る。
「貴方達、こちらの世界は初めてよね?」
「…………」
この問いには答えない。
下手に答えたら何をされたもんか分かったもんじゃない。
グランシェも同じ事を考えている様だ。
それを見て女性は更に続ける。
「……ナツキさんに、刺されたのよね?」
流石に俺もグランシェも少し反応してしまうが、やはり無言。
「大丈夫、ここは流動する民族、レミングスの移動村落。
私達レミングスはどんなモノだって受け入れ、そして流れるの」
「異界の人間だって同じさ!!」
「……だから静かに話しなさいってば」
よく分からないが、ここで拳を奮っても意味はないだろう。
村落と言う事は仲間も居るだろうし。
勝ち目は薄いか。
「タイチ、奴らを信じよう」
グランシェからの申し出だ。
まぁ、ここは降伏するより他はないか。
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