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形而下の神々
過去と異世界
神と公式
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達は2次元から3次元を通る。
それは2次元しか感知出来ない存在からすれば、あたかも瞬間移動した様に感じるはずだ。

その現象がここでは3次元でも起こる。

例を上げれば、バスケットボールの中に入れた飴玉をバスケットボールに触れる事なく取り出せるのだ。

俺達の感知出来ない次元を通って。

そんな特異な現象は、何も神と呼ばれる存在だけの物ではない。

神は神であり、人とは基本的に交わらない。

俺達が今居るこの場所は神殿と呼ばれ、神との通信を行う場所なのだそうだ。

その神に、自らを認めさせる事で、俺達にもその力の一端が使えるらしい。

それが『公式』だとのこと。

公式という理論を立て、神にこの場で示し、神を納得させる。

それすなわち神の所業。

ただ、その公式に矛盾があった場合、その矛盾を自分以外の人間に指摘された時点でその公式は失効する。

簡単な話、矛盾が有ろうとこの場で完成した公式を披露すれば、魔法が使える様になるといった感じ。


「で、これがその公式を込めた道具、神器らしい」

グランシェが一枚のマントと一双の手袋を鞄から取り出した。


「このマントは瞬間移動の公式が込められた神器らしい。人は無理だが、物質なら……」

そう言って自分の鞄にマントを被せた。

途端……。

「ほら、ご覧の通り!!」

マントを取ったその下には鞄は無かった。

「うおっ!? なんの手品だ!?」

「手品じゃねぇし、ほら」

また床にマントを置き、それを手で軽く叩くと鞄が戻ってきた。

「な?」

「お、おぅ」

なんだこの手品じみた微妙な感じは。

「ちなみにこのマントはレアモノで、人間には作れないらしいよ」

「じゃあ何が作るんだよ」

「いや、知らねぇケド」

じゃあ気になる事言うなよ!!
次にグランシェは手袋を取り出した。

「で、次はこの手袋。これはもっとレアモノらしい。大事にしろって言われた」

グランシェはその手袋を両手に装着する。

「これは凄かったぞ」

と、俺に近付いて来ると……。


「おいぅわっちょっ!?」

片手で俺を持ち上げた。

「な?」
「スゲーな!!」

「怪力が出る手袋だ」


って、俺には何もくれなかったんだな。

と、突然グランシェが手袋を外して俺に手渡す。

「この手袋はお前にって言ってた。良かったな」

「おっ、やった。サンキュー」


こんな訳の分からない手品や怪力を見せられては、公式とやらもそろそろ信じざるを得ないかもしれないな。

しかし……

「何故グランシェはこの世界の事を聞かされて信じたんだ?」

「あ、あぁ、ちょっ
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