第69話 =邪神の名は=
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遅れていたリーファを確認しようと後ろを見るともう目の前も目の前、数センチにまで接近してきておりリーファは速度を殺しきれてない。…なので、俺がリーファに押し倒されるように倒れこんだ。
「…ちょっ、リーファ……」
「リ、リ、リクヤ君!?」
顔を赤く染めているリーファが俺の上にいるが、無理やり押しのけることは出来ないし…とちょっとした葛藤をしていると改めて今の譲許を確認したリーファはものすごい速さで俺の上からどいて雪の上に正座した。
「ご、ごめんなさい……」
「い、いや俺もあんなところで止まったから……」
「ほらほら2人とも、今から面白いものが見れると思うよ」
だからなんでこいつは…と思っていると突然ばきばきばき…と異質な音が響き渡る。どうやら俺たちが今いるのは凍った湖の上、そしてあの巨人も追いかけてこようと乗ったけど氷が重さに耐え切れずに割れ始めたってことか。そしてそのまま雪原が陥没し露出した湖に沈んでいく三面巨人。
「やった…のか…?」
「「それフラグだから!!!」」
俺が呟くと先に走り出していたスプリガンとサラマンダーが思い切り叫ぶ。どうやらフラグを建築してしまったらしい。そのままへしおれてくれればよかったけどそうやすやすと折れるものでもなかったらしくじゃぶじゃぶと水をかき分ける音が聞こえてくる。
「……なんなんだ、あいつは」
「い、岩が泳いでる…」
「……わたしもあれには驚くけど……お楽しみはこれからってね」
そういうサウスの向いているほうを同じく見ると先ほどの水母邪神が同じくあとを追ってきてひゅるるる!という雄叫びとともにザブンと湖に飛び込んだ。それと同時に20本近い肢が巨人の顔や腕にグルグルと巻きつく。その巨人も声を上げて抗うが水中での動きは鈍いのか先ほどの機敏な動きは見られない。
「…そうか、水母だ!!」
「え?……あ、そっか!」
俺とリーファは同じ結論にたどり着いたのか声を上げてしまい、それで顔を見合わせて噴き出してしまうが…。
あの象水母はその水母のような体を裏切らないもともと水棲タイプの邪神モンスター、陸上よりも水中でその真価を発揮する。陸上では体を支えるためにその肢の大半の動きが制限されていたがその必要が無い水中はフルで肢攻撃が可能となる。それに対し三面巨人は陸上型、水中でも戦えないことは無さそうだが自分の体を浮かすために2本の腕を使っているため、攻撃手段の半分を奪われている。
もうそこからはお返しといわんばかりの猛攻撃だった。三面巨人に乗りかかると頭まで水没させ一際激しく象水母が啼くと同時に体が青白く光る。光は細いスパークへと形を変え、20本の肢を地たって水中へと流れる。
「あっ…」
「よし!」
キリトとリーファ
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