第十二話 決意
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結論だけで言えば俺はあの後、勝負に負けた……らしい。
『らしい』としか言えないのは、俺はあの一撃を撃った後、完全に気絶してしまい勝敗を確認することはできなかったからだ。
この体に残る全身の痛みが俺が負けたというのは現実なのだということを嫌でも伝えてくる。
セレネが言うには俺の一撃は避けられたというわけではないようなのだが……。
「まぁ、考えたって分かんねぇことは考えてもしょうがないか」
『そんな事でいいのですかね?』
「それで駄目だった時はそれまでだし、手詰まりになる前に何か解決策を考えればなんとかなるもんさ」
そんなものですかね?、などとセレネが言っているがそんなものなのだ。少なくとも俺の中では。
「悪い、待たせちまったか?」
「いんや、今から始めるところさ」
時刻は変わり、夜。街は漆黒に染められ街を照らす光が俺たちの眼下で煌めいている。
何にせよ、今はそんな感傷に浸っている暇はないだろう。
「……じゃあ始めるよ。ちょっと乱暴だけど魔力流を撃ちこんで強制発動させるから……」
「あぁ、ちょっと待った。それアタシがやるよ」
「大丈夫? 結構疲れるよ?」
静かに、それでいて確実にアルフの事を気遣った一言がかけられる。
「なら、俺も手伝えば問題無いだろ?」
「そう……だね。じゃあ、お願い」
その言葉を聞くとともに、俺とアルフでジュエルシードを強制発動させる。町中でこんなことをするのがどれだけ危険なのかは理解しているつもりだが、今はこれよりいい案なんて存在しない。
そして俺達の目当ての物の場所が特定できた、が……
「あっちも近くに居るみたいだねぇ」
アルフの言うとおり高町達もこちらに気付いたようだ。その証拠にユーノの結界が周りを囲んでいる。
「早く片付けるよ。バルディッシュ!」
『sealing form.set up.』
そうしてセットアップしたテスタロッサと高町がほぼ同時にジュエルシードを封印する。
一瞬、ジュエルシード側は大丈夫なのだろうかとも思ったが、その心配も杞憂に終わり無事シリアル19のジュエルシードの封印が完了する。
「なのは! 桐仁! 早く確保を!」
目的の物早く手に入れる必要があることやユーノ自身が責任を感じてることは分かるが……
「ちと不粋過ぎやしないかねぇ?」
「そうはさせるかい!」
俺がそんな独り言とも言える感想を述べている内にアルフはなのは達に襲いかかる。攻撃自体はユーノに防がれたようだが……。
テスタロッサに自己紹介を始める高町。残念ながらどれだけ高町が頑張ったとしても、今はまだテスタロッサにその思いが届くとこがないという悲しい現実を俺は知っている。
それを見るテス
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