12*触れて欲しくないものがある
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今にも泣きそうに震えている。
「ご、ごめ…」
「謝って済んだら警察いらねんだよじゃじゃ馬ぁ!!謝るくらいなら最初っからやるな!今の今まで貴様の我が儘に付き合わされた自分の気持ち解るか!?ワカンネェよなぁ!!毎朝毎朝過激な目覚ましでよぉ!勝手に戦争巻き込まれてよぉ!ちったぁその無い脳みそで考えてみやがれや!!」
彼はよくキレるが、心の底から“怒る”事は余り無い。
そもそもキレるのは彼のキャラで、学校でもキレキャラとして友達にいじられてる。
そして、なんだかんだ言って彼は面倒見がよく、悪態をつきながらも最後までついていくタイプの人間なのだ。
しかし、度重なるストレスに旅の疲れ、そして彼に対する禁句を言ってしまったエリザは、その怒りを真っ正直から受ける事になった。
周りの近衛隊も恐怖で動けないでいる。
「しかもなんだ!?自分に上級騎士として箔が付くだぁ!?だったらもっと貴様が言うみたいなヒョロい軟弱者でなくもっとマシな奴を入れればいいだろ!!貴様はただ単に自分の持つ珍しいオモチャを他人に自慢したいだけでねぇのか!?あぁ!?」
「ご、ごめんな…ひぐっ、ごめんなざ…ぃ…グズッ」
とうとう泣き出したエリザ姫、しかしそれでおさまる程ナルミのトラウマは浅くは無い。
「なぁ!?違うのか!?自分が珍しい人間だから近衛隊に入れたんだろ!自分の意思に関係無く!なぁ!自分間違ってるか!?おい!!」
ここまで来たら、もはや弱い者いじめのレベルである。
エリザ姫は泣きながら謝罪の言葉を呂律が回らない舌で繰り返している。
「せ、先生!」
勇気を振り絞り、ミミリィが止めに入る。
「あぁ!?」
「ひっ!…いえ、そのあの………そろそろ許してあげてくれませんか?姫様も反省してますし。」
「……………」
ミミリィの言葉を聞いて、ナルミはエリザを見た。
泣きながら、謝罪の言葉をつぶやき続ける一人の小さな少女がそこにいた。
「…チッ!」
いくらか冷静さを取り戻したのか、舌打ちをして、それでもイライラ隠そうとせずにベッドに戻ろうとするナルミ。
その時
「……グ…ガァァァァァァ!!」
「敵襲ー!!」
いきなり荒れ地に巨大な灰色の怪物が現れた。
大きさは20メートル程の、ライオンとイノシシとゾウを合成したような、地球で言うキマイラみたいな怪物が突然現れて雄叫びを発したのだ。
その後ろには、五千はあるかと言う敵兵士の大群がある。
「おいっ!エリザ敵が…おい!どうした!?」
バリスが扉を蹴り開け、エリザの様子をみて驚いた。
あのエリザが、泣きながら謝罪をしているのだ。
しかし、作戦の中枢である彼女がこれでは敵を倒すどころでは無い。
困惑してる
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