12*触れて欲しくないものがある
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かんなくて。」
固定用の器具に悪戦苦闘しているのは人間の戦士、ナルミである。
「………ハァ。」
大丈夫だろうか、と珍しくメランコリーになる姫であった。
*********}☆
「これは…」
目的地に付いて、まず最初に見たのは変わり果てた大地の姿だった。
いままで隣国の侵入を拒んできた山が消え去っているのだ。
しかも、砦の兵達は皆疲弊していてマトモに戦う事も難しいような状態だ。
怪我を負った者も多数いる。
報告よりも、明らかに酷い。
「何があった。」
ウルス砦に入り、砦の責任者である牛鬼のダリに説明を求た。
彼もまた、疲労の色を隠せないでいる。
そして、彼は信じられない事を言った。
「……魔獣です。」
「何!?」
「奴らは、魔獣を召喚して襲って来ました。それも最上級のを三体も。
山を消すのに力を使っていたのでなんとかなりましたが、次に来たら俺達だけではもう持ちこたえられませんでした。」
信じられない、エリザ姫はそう思った。
魔獣とは、魔族の手によって造られた魔物と、突然変異等で魔物が変化したものの二種類ある。
だいたいが自然に普通に存在する魔物とは違い異形の形をしていて、並外れた力と魔力を持ってる。
しかし
「……奴らに、魔獣を召喚するだけの力があるのか?
ましてや操るなど不可能だ…」
そう、召喚をするには呼び出した者の魔力が呼び出された方の魔力より大きくなければいけない。操るなら、召喚に使った魔力と以外に、残りの魔力で呼び出した魔物なり魔獣なりを押さえ付けて従えなければいけないのだ。
実際に必要な魔力は呼び出す方の魔力の三倍が必要なのだ。
並の魔族では出来るはずが無い。
「…一体どうやって…」
あちら側に最上級の魔獣を呼び出す事が出来る魔術師がいるという情報なんて聞いていない。
そう思い思案していると後ろから
「複数の魔術師が共同で召喚したんでね?」
と、バリスの声が聞こえてきた。
いつの間にか壁にもたれながら話しを聞いていたようだ。
「…いえ、普通の魔法ならともかく、召喚魔法はそう簡単にはいきません。
それに、魔獣ともなれば数百単位の数の魔術師を扱わなければなりませんし、集めてもそれぞれの魔力の波長が会わなければ不可能です。
世界中捜しても、共同で召喚魔法を使えるほどね数の波長が合う魔術師はいませんよ。」
エリザはそう答え、また思案し始める。
「…とりあえず、不安要素はあるが召喚魔法相手ならある程度対処は出来る。
ダリ、これから言う事を今動ける兵士達にやらせてくれ。
魔獣三体もの魔力を回復するのに一日二日で出来るとは思わんが、魔獣三体召喚という
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