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とあるβテスター、奮闘する
投刃と少女
とあるβテスター、睨まれる
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だろう。ボスのドロップともなればレアな物が多いため、話し合いで決めるとなると余計なトラブルを起こしかねないからだ。
パーティを仕切るのに慣れているであろうディアベルも、それを考慮してこういった形式をとったのだと思う。正直、そういった話し合いについてはいい思い出がないため、この形式はありがたい。

「以上で、ボス攻略会議を終了とする!みんな、明日は───」
そして、午後5時半。
昨日と同じように『頑張ろうぜ!』『オー!』のシメで解散となり、集団は三々五々ばらけて酒場やレストランに呑み込まれていく───はずだった。

───はずだったんだけど、ね……。

「ディアベルくん、質問ー!」
「何かな?」
一通りの打ち合わせが終了し、さあ解散だという場面になって、シェイリがディアベルの言葉を遮った。
どう見てもディアベルのほうが年上なのに『ディアベルくん』というのはどうなんだろう、と僕がまったく関係のないことを考えていると、

「それってベータの時の話だよね?ほんとに大丈夫なの?」

ピキッ!と。
その場の空気が凍りついた音が聞こえた気がした。
いい感じに士気高揚としていた周りのプレイヤー達が、シェイリの一言によって一瞬で押し黙り、僕たち四人に注目が集まる。
テキパキと事を進めていたディアベルに対し、ぽっと出のプレイヤー(しかもアブレ組)が突然こんなことを言い出したのだから、『おまえ何ケチつけてんだよ』くらいのことを思っているのかもしれない。

「……というと?」
「だからー、ボスの強さとか、使ってくる技とかー……」
「!!」
一丸となったムードを完膚なきまでにブレイクしたシェイリに訝しげな顔で聞き返したディアベルは、その言葉を聞いてハッとしたように表情を凍りつかせた。
次いで、凍りついた表情のまま『アルゴの攻略本・第1層ボス編』の裏表紙に目をやる。
そこには真っ赤なフォントで書かれた、『情報はSAOベータテスト時のものです。現行版では変更されている可能性があります』という文字が───

───そうか、その可能性もあるのか……!

インターネットが普及している現代では、MMORPGというジャンルのゲームはさほど珍しくもない。
そしてそのほとんどのタイトルが、βテストを経て正式サービスに移行……という形を取っている。ここまではいい。
問題はβテストから正式サービスにかけて、ドロップ率やレベルの上げやすさなどといったゲームバランスに修正が入る場合が多々あるということだ。

βテストとは、その名の通りゲームを“テストする”ためのものであって、運営側も無闇やたらと無料サービスを提供しているというわけではない。
テスターの意見を取り入れ、開発側が改めて全体を見直し、不具合などがあれば修正する。
そういった一連
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