投刃と少女
とあるβテスター、睨まれる
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トの二人に共通する“何か”に対してだということになるけど……うーん。
ディアベルとは初対面だし、僕とキリトだってついさっき知り合ったばかりだ。共通点なんてどこにあるのやら。
キリトという名前に聞き覚えがないわけじゃないけど……ゲームのハンドルネームにはありがちな名前だし、どこで聞いたかまでは覚えてない。
───ま、いいか……。
あれ以降ディアベルの様子に不審な点はないし、僕の気にしすぎなのかもしれない。
まあ見た目的にかなり怪しい……下手すればPK集団にでも間違えられそうなパーティだし、それが気になったのかもしれない。
そう思い、僕はそれ以上考えることはしなかった。
────────────
そんなわけで。
少し気になる点はあったものの、会議は概ね良好に進行していた。
七組のパーティはAからGまでナンバリングされ、それぞれ壁《タンク》役、攻撃役、取り巻きの殲滅役といったように役割分担されていく。
そんな中、人数が半端な僕たち四人はナンバリングなし───これといって重要な役割を与えられていなかった。
形だけはキバオウ率いる取り巻き殲滅部隊・E隊のサポートに回れと言われているものの、要はおまけのようなものだろう。
その証拠に、さっきからキバオウが『おまえたちの出番はないぜ』と言わんばかりの挑発的な顔でこちらをガン見してきて───ア、アスナ落ち着いて!ここで揉めたらまずいって!
キバオウのあからさまな挑発に今にもマジギレしそうなアスナを窘め、ここで口論になることは回避できた。
取り巻きはボスのHPバーが一本減るごとに三体ずつ、計12体召喚されるため、どのみちE隊だけでは相手にしきれない数だ。
要するに、相手が文句を言えなくなるような戦いぶりを見せればいい。
接近戦が苦手な僕はともかく、シェイリは両手斧を用いた重攻撃型だし、キリトとアスナはソロで迷宮区に篭れる程のプレイヤーだ。僕たち四人が他の六人パーティに比べて劣るということはないだろう。
僕たち四人がキバオウ率いるE隊よりも成果を出せば、彼もあんな態度は取れなくなるはずだ。
そこまで言うと、アスナはようやく怒りを鎮めてくれたようだった。
それでも全部が全部納得できたわけではないらしく、フードの奥から剣呑な雰囲気が伝わってくる。
───アスナ、意外と怒りっぽい……?
口に出したら僕まで睨まれそうなので、その疑問は心の奥にしまっておくことにした。
最後に、ボスや取り巻きがドロップしたお金は46人全員で自動均等割り、アイテムは手に入れた人のもの(SAOのドロップアイテムは、ランダムで戦闘に参加した人のアイテムストレージに自動収納される)ということで話がまとまった。
これならドロップアイテムの分配を巡るトラブルは起こらない
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