暁 〜小説投稿サイト〜
とあるβテスター、奮闘する
投刃と少女
とあるβテスター、睨まれる
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
…それこそキバオウみたいな人が多いイメージだったんだけど、彼もアスナも話してみたら割と普通、というよりむしろ接しやすい。
アスナは一見暗そうな人に見えるけど、シェイリの言う事にいちいちムキになってるあたり、本当は明るくて負けず嫌いな性格をしているんじゃないかな。
そして、灰色コートの彼───キリトは少し人見知りがちだったり、他人を自分からパーティに誘えないタイプなところが妙に親近感を覚える。

彼曰く、アスナとはちょっとした顔見知りで、誘おうと思ったところをシェイリに先を越されてしまったらしい。
それは悪いことをしたと謝ると、結果的に四人パーティになったんだから問題ない、と言って笑ってくれた。いい人だ。
アスナは相変わらずシェイリに振り回されているようで、時折『違うわよ!』『そこはこうでしょ!?』『あーもう!』などといった声が聞こえてくる。
彼女はどこか生き急いでるように見えるので、シェイリのマイペースさを足して割るくらいがちょうどいいんじゃないかと思う。

───なんにせよ、四人いれば何とかなりそうだね。

キリト以外は全員フード装着という、見た目なんとも怪しいパーティになってしまったけれど、それはまあ置いといて。
四人もいればペアで戦うより比較的安定するだろうし、ボス攻略で足手まといということもないだろう。

……と、思ったのも束の間。
何とか即席パーティを作ることに成功した僕たちは、組まれたパーティを見ながらボス戦の役割分担をしていくディアベルから『君達アブレ組は邪魔にならないよう大人しくしててね』といったニュアンスのことを言われ、遠回しに戦力外通告を受けた。

他は六人、僕たちは四人だから仕方ないといえば仕方ないのかもしれないけれど……
でも僕は、僕たち四人を見て少し考え込むディアベルの様子に、何となく違和感を覚えた。
パーティリーダーとして名前を名乗った僕と、メンバーであるキリトの顔を見た時……一瞬だけ、眉を顰めたようなような気がしたからだ。

───今のは……?

ディアベルの態度に疑問を抱いた僕だったけど、それが何を意味することなのかはわからなかった。
彼は次の瞬間にはいつもの爽やかな表情に戻っており、『君達はE隊のサポートを頼んだよ』と言い残し、広場の中央へと戻っていく。

「キリト、今のって……」
「……、何だろうな。きっと、俺達アブレ組は大人しくしてろってことだろ」
キリトも疑問に思ったのか、少しだけ考え込む様子を見せていたけど……結局、わからないようだった。

ちなみに他の二人は気付かなかったようで、シェイリは相変わらずふにゃりとした顔だし、アスナはディアベルの采配に不満を示してはいたものの、特に彼の態度を不審には思わなかったようだ。
となるとディアベルのあの態度は、僕とキリ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ