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とあるβテスター、奮闘する
投刃と少女
とあるβテスター、睨まれる
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ちですら知り合いがいないくらいだし、ソロプレイヤーなら尚更だろう。

「わたしがシェイリで、あっちはユノくんだよ。よろしくねー」
「ちょっと、私はまだパーティ組むなんて一言も───」
「えーっと……ユノくん、パーティってどうやって申しこむのー?」
「聞きなさいよ!」
「すいませんこの子ちょっと空気が読めないんで!あと僕もソロは危ないと思います!」
ビキビキと青筋を立ててるであろう相手を見て、僕は思わず乱入してしまった。
平謝りしながらもボス戦でソロは無謀ですよとやんわりと窘めると、相手は渋々といった様子でパーティに加入してくれることとなった。

視界の端に映る、新たに参加したパーティメンバーの名前……【Asuna】という表示を見て、このレイピア使いが女性だと確信する。
フードで顔を隠しているのは、恐らく女性であるが故の余計なトラブルを避けるためだろう。
ネットゲームの中でリアル女性だとわかると、途端に対人関係がめんどくさくなるんだ。主に男女間での関係が。

そんなレイピア使い───アスナは、僕に対して『あなたこの子の保護者か何かなの?ちゃんと見ててよね』といった感じの恨みがましい視線を向けてくるが、あえてスルーさせて頂くことにする。
シェイリの誘い方はともかく、アスナはあのまま放っておいたら本当にソロで挑みそうな雰囲気だったし、それで死なれでもしたら後味が悪いなんてものじゃない。
この際ソロプレイヤーがどうだとか、そんなことは言っていられない。
それほどまでに……アスナの纏った雰囲気には、僕にそう思わせるような、何とも言い難い危なっかしさがあった。

───何はともあれ、これで三人。あとの一人は……

どこにいるんだろう、と辺りを見回せば。程なくして、目当ての人物を見つけ出すことができた。
組む相手がいないからだろう、慌てたような顔でおろおろと辺りを見回している、灰色コートを着た青年───いや、少年か。

「……あの、よかったら僕たちと組みませんか」
「え?」
僕がおずおずと声をかけると、彼は予想外ばかりに素っ頓狂な声を上げた。
その顔立ちはシェイリほどとはいかずとも、ネットゲーマーにしては幼く見える。恐らく年齢は14か15といったところだろう。
彼といいアスナといい、こんな人達がソロプレイヤーだなんて意外だ……。

「い、いいのか!?俺が入っても!?」
「えっ、あ、うん」
「すまん、助かる!ほんと助かる!」
彼の必死な剣幕に思わず後ずさってしまったけれど、思っていたより普通の人だったので少し安心した。
僕の誘いに一も二もなく飛びついた彼は、パーティ加入申請を快く承諾すると、しきりに感謝の言葉を述べた。

───ちょっと意外、かな?

ソロに拘るプレイヤーはもっとこう、偏屈な感じの…
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