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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
ムッツリさんの最後の戦い 帰還編
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しいし」
ムッツリさんは、クリスお姉ちゃんからムッツリさんとよばれたことに少し気分を害したようですが、そのまま食事を続けています。


「それにしても、いい身体しているわね」
クリスお姉ちゃんは、食事をしているムッツリさんの身体をいろいろ触りまわっています。

クリスお姉ちゃんは、男女問わず人の体を触るのが好きで、特に筋肉に興味があります。
好意を持っていると勘違いされて困ったことも何回もあるのに、クリスお姉ちゃんの癖は直りません。

ムッツリさんも、最初は驚いていましたが、すぐに慣れてしまいました。
「くすぐりでなければ、問題ない」
そうです。
「くすぐりは、お姉ちゃんたちの領域だからね」
私はうなずきます。

そう、お姉ちゃんたちのくすぐり能力は恐ろしく高く、「拷問」のレベルに達しています。
「妹には使えない技がある」といって、私はその技を見たことがありませんが、お姉ちゃん達に、叱られたときに私たちに行う技でも、私には耐えることができません。

直接確認したわけではありませんが、お姉ちゃん達が事故にあうまでに「拷問」を受けた犠牲者は、両手では足らないと思います。
この世界でも犠牲者がいなければいいのだけど・・・。

「アリスちゃん。何を考えているのかな?」
「!」
クリスお姉ちゃんは、私のおなか周りを触ってきました。
「やめて、クリスお姉ちゃん!」
「いやあ、アリスちゃんは、あいかわらずスリムだねぇ」
クリスお姉ちゃんは、いつのまにかムッツリさんの身体からはなれると、いやらしい笑みを浮かべながら触り続けます。
「クリスお姉ちゃんと、変わらないわよ!」
「自分の身体じゃないから、良いのよ」
必死に身体を動かしながら抗議する私の言葉に、意味不明な反論をしてきます。
「ムッツリさんも、なんとかして助けてよ!」
私は視線を、ムッツリさんに動かします。

「ご、ごちそうさま。
も、もうすぐ午後の作業をはじめるよ」
ムッツリさんは、私たちに向けていた視線をあわててそらすと、立ち上がって畑に向かっていった。


「やっぱり、ムッツリさんね。
じろじろと、アリスの身体を眺めていたわよ」
「クリスお姉ちゃんが、いたずらするからでしょう!」
私は顔を赤くして、反論します。
「ムッツリさんは、私よりアリスちゃんのほうがタイプのようね。くやしいわ」
「そんなことはないわよ」
私は首を振りますが、なぜかすこし残念な感情を浮かべました。

「アリスも、ムッツリさんのことが好きなのね?」
「クリスお姉ちゃん・・・」
私は、クリスお姉ちゃんを眺めました。
クリスお姉ちゃんは、男女問わずに人気がありました。
けれども、誰かとつきあったことはありません。
どんな人が好みか聞いたことがあり
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