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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
口を動かすだけの簡単なお仕事です
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性が増えたことに興味を持ったソフィアが、調査を行った結果、事実が明らかとなり販売網が摘発された。
罪状は本人の許可無く、勝手に本人の名前を商品名に使用したことである。
摘発された笛は全て処分され、販売に携わった人は牢屋の中にいる。

セレンは、ソフィアにどうやって摘発したのか、おそるおそるたずねた。
しかし、ソフィアはにこにこと微笑むばかりで教えてはくれなかった。
セレンは、「世の中には知らない方がいいことがある」ことを思い出した。


「それにしても、人の弱みにつけ込んだ、悪辣な方法ね」
「ごめんなさい」
「だから、セレンちゃんは気にする必要はないわよ」
ソフィアは、お茶を飲みながらセレンを慰める。

結局、アンモンという人物は、アーベルからの使いでも何でもなかった。
裏の世界で仕事をしていたが、セレンの人気を知り、今回の計画を立案したそうだ。
「アーベルも、セレンちゃんをロマリアに連れて行けばいいのに」
「そ、そんな」
セレンは顔を真っ赤にして俯いていた。

「まあ、このまま待つのはつまらないわね」
ソフィアは、セレンの為に何をすべきか考えていた。
「そうだ、こうしたらどうかしら」
そういって、ソフィアはセレンに料理の修業を提案したのだ。



「毎日でも食べたいって・・・」
「料理屋を開店したらどうだい。毎日、食べにいくよ」
アーベルは、嬉しそうに答える。
「・・・。そうですか」
セレンは、急に落ち込んだ。
アーベルは、「俺、何かまずいこといった?」と行った表情で悩んだあげく、セレンに声をかけた。
「試食が出来たら、また声をかけてくれ、いくらでも食べるから」
「本当、ありがとう」
セレンは思わずアーベルの手を握って上下に動かす。
アーベルは、セレンの機嫌が直ったのでほっとして、
「ああ、口を動かすだけの簡単な仕事だ・・・」
言わなくてもいい、ひとことを言ってしまった。

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