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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
口を動かすだけの簡単なお仕事です
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ンは、表情を元に戻すと、話を続ける。
「よろしければ、そちらで軽食でも取りながら、お話を聞かせてください」
セレンは頷くと、アンモンが提案した軽食店についていった。
「具体的には、どのようなお仕事ですか」
セレンは、アンモンに質問する。
セレンは、アンモンからアーベルの近況を聞いていた。
アンモンの話は、毎日、セレンにあいたいとぼやいていたとか、毎朝侍女が、アーベルの枕を替えるたびに枕に涙を流した跡がついており、アーベルに「セレンのことが気になって泣いているのですか」と質問すると、顔を真っ赤にしたまま答えないとか、セレンに関係した内容ばかりだった。
セレンは話をするアンモンに対して、いつの間にか信頼する仲間のような感情を持ち始めていた。
アンモンは、目の前に骨で作った笛をセレンの目の前に差し出した。
「とある楽器制作者が、笛を大量に作ったのですが、音がキチンと出るか確認する必要があります」
セレンは、ふむふむと頷いている。
「先日、セレンさんが自宅で修行するようにと言われたそうですが、何をすればいいのか思い悩んでいると思いました」
セレンは、うなずいた。
「もしよろしければ、お手伝いをしていただけると助かります」
アンモンはゆっくりと頭をさげてお願いした。
セレンは目の前の提案について考えていた。
セレンの家には家政婦がおり、日常生活でしなければならないことはない。
当然、毎日朝夕のお祈りは欠かせないがそれ以外の時間はすることがない。
幼なじみのアーベルはロマリアで王位についてにいるし、テルルはキセノン商会で働いていたので、一緒に遊ぶ相手もいない。
今日も、沈みがちな気分を晴らすために、近所を散歩していたのだ。
ここで、見知らぬ男から、仕事の提案があった。
見知らぬ男の提案とはいえ、アーベルが自分の事を心配して様子を見に来てくれた男だ。
セレンは、信用できる相手だと考えていた。
アンモンは説明を続ける。
「あなたのお仕事で得たお金は、めぐまれない子供たちのために、有効に使われます」
教会は、子ども達の為の慈善事業をしている。
しかし、いつだってお金は必要だ。
教会は資金確保に苦労していた。
そして、アンモンは次の言葉で説明を終えた。
「この話をお受けしたことを、アーベルさんが聞いたら、喜ばれると思いますよ」
この言葉で、セレンの意志が決まった。
「セレンちゃん。ちょっといいかしら」
黒い髪の女性が、目の前の少女に声をかける。
長い髪を後ろの髪飾りで止めている。
セレンは思わず身構えた。
セレンは目の前の女性が苦手な訳ではない。
目の前にいる女性の息子が、幼なじみのアーベルであることを思い出して、緊張したのだ。
「はい、ソフィアさん」
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