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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
口を動かすだけの簡単なお仕事です
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「いつも、旨いね。セレン」
「ありがとう。アーベル」
「礼を言うのは、こっちの方だ」
アーベルは、料理を味わいながら、感想を述べる。
「毎日でも食べたいぐらいだ」
「そ、それって・・・」
セレンは、アーベルの感想に思わず声を詰まらせた。
セレンは、アーベルが不在の間に、料理の技術を磨いていた。
その努力が報われたのだ。
セレンは、目をうるませながら料理を始めたきっかけを思い出していた。
「キセノンめ!成り上がり者のくせに!」
男は顔を赤くして、酒場で大声を出していた。
酒場では、だれもが大声を張り上げる。
普段なら、よくある話ですむのだが、この男の行動は、違和感があった。
今の時間帯が昼間である。
普通の酒場なら、夜から営業を開始するのだが、ここは冒険者を登録するルイーダの酒場の近くにあるため、昼間も空いているのだ。
そう、男は、昼間から仕事もせずに酒を飲んでいるのだ。
そして、もうひとつの違和感は男のテーブルの近くは誰も寄りついていないことだ。
男のテーブルには、いくつもの酒瓶が転がっている。
そして、男の形相がひどかった。
金髪がぼさぼさに乱れ、ひげが伸び放題となっている。
額は油汗でテカっており、アルコールがしみこんだ体の臭いは、人を近づかせない雰囲気があった。
本来であれば、店の主人もこの男を追い出したいところではあったが、金をちゃんと払っているので、無理に追い出すこともできない。
誰もが、男の周囲に近づくことが出来ないと思ったが、例外が発生した。
スマートな体に、金髪をきちんと七三にわけ、おしゃれなスーツを身につけた中年の男性が、男に近づいてきた。
「誰だテメーは」
酒を飲んでいた男は、近づくスーツ姿の男性に対して、殺気を込めた視線をおくったが、スーツ姿の男性は視線に気付かないふりをしながら話しかける。
「申し遅れました、私はアンモンと申します」
スーツ姿の男性は恭しく頭を下げる。
これから、商談でも始めるような感じにしかみえない。
「モリデンだ」
モリデンと名乗った男は、アンモンと名乗った男に視線をぶつけたまま、横柄に答えた。
「モリデンさん」
アンモンと名乗った男は、モリデンからの視線を気にすることなく話を始めた。
「なにやら、キセノンという人に恨みが有るご様子ですね。
私でよろしければ、話をお伺いします」
アンモンは、うさんくさそうに眺めている店の主人に、酒代とチップを渡すと、酒を頼んだ。
モリデンは、アンモンの態度に感心した様子で、
「おう、聞いてくれるのか。
話は長いぞ、覚悟しな!」
アンモンは、にこやかな表情を崩すことなく、うなずいた。
モリデンは酔っぱらいの特徴である、「同じ話をなんども繰り返す」を
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