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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
アリアハンでの事件 解明編
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に行うようだし」

「でも、あの身体がリニアにとって、そこまで大切なものなの?」
テルルは指摘した。
金銭の支出ならともかく、全身をそろえるためには複数回殺される必要がある。
ホープのレベルなら、睡眠呪文ラリホーと即死呪文ザキの連続使用で痛い思いをすることはないだろうが。


ライトは黙ったまま、テルルを眺めていた。
「どうしたのよ、急に?」
「俺の推理を話す前に、聞きたいことがある」
ライトの言葉は、いつもと違って真剣だった。

「何よ?」
「テルルは、永遠の若さを望むかい?」
「考えた事もないわ」
テルルは即答した。
「たとえ、老いてしわくちゃのおばあちゃんになっても、それまでに生きてきた証を捨てるつもりは無いわ。当然、化粧とかで、美しく見せることはするけれど」
「・・・。そうか」
ライトは、しばらくテルルの表情を読み取ろうとしたが、首を振ると、話し始めた。

「とりあえず、推理を話す相手として認めよう」
「何よ、そんなにもったいぶって」
「そうだな。
あくまで、可能性の話をするだけだ。
ただし、誰にも言うなよ」
「わかったわ」

「とは言っても、ここまでの話を聞けば、わかるかもしれないけどね」
ライトは、少し笑っている。
「・・・」
テルルは少し考えて、驚愕の声をあげる。
「まさか、若さを保つため!?」

「理論上は可能だろうね」
ライトはつぶやく。
「人の身体を、魂の入れ物だと考えれば、元の身体を蘇生不可能な状態にすることで、別に用意した身体で蘇生させることができると思うよ」
「・・・。そうね」
テルルはライトの言葉に頷いた。
「こんなことを思いつくことができるのは、ホープぐらいだろうね。
そして実際にやってしまった・・・」
テルルは黙ったまま聞いていた。
「やったことは、神の教えに背くことだろうね。
だから、自分が犯人だとわかるようにしたのかもしれない」

ライトは椅子から立ち上がった。
「そして、自分1人で全てを背負って自殺した」
「・・・」
ライトは後ろを振り向いていた。
テルルは、黙ったままライトの背中を眺めていた。


しばらくして、ライトは椅子に再び座った。
「まあ、これはあくまで俺の推理だ。実際にリニアが行わない限り、事実かどうかわからない」
「そうね」
「この事件は解決した。それも、随分前にね」
「・・・。そうね」
テルルは頷いた。
今のライトの推理は、確認することが出来ない。
公表して、リニアにダメージを与えることもできるが、それだけだ。
逆にこの事件が表に出て、不老不死の方法が明らかになれば、この世界の法則が乱れることになるだろう。
それだけは、絶対に避けなければならない。


「それにしてもだ」
ライ
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