暁 〜小説投稿サイト〜
外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
アリアハンでの事件 後編
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 4 右手と手紙とテルルさん



「・・・だめでした」
ホープは肩を落とした。
ホープとテルルそして、冒険者ギルド幹部のライトはキセノン商会の一室で話し合いを行っていた。
ゲールについては、アリアハン城内の地下牢で拘束されている。

「ザオリクで復活しないなんて」
テルルも残念そうな表情をする。
「原因はいくつか考えられています。
一つめは、遺体が不足していることです。
昔の資料を確認すると、片手からの復活事例はあります。
その場合は、ザオリクではなく、復活の儀式を用いた場合ですが。
もう一つの場合が、魂が何らかの事情でこの身体に戻らなかった場合です」
ホープは気を取り直して解説を始めた。

「どういうこと?」
「人間には、身体とは別に魂が存在します。
生前に未練があると墓場に出現するという話はこれです。
逆に、死んでしまった事を受け入れてそのまま神の国へ旅立った可能性もあります」
「弱ったな、被害者がわからないなんて」
テルルはため息をついた。

「口を割らせるしかないか」
ライトは、残念そうな表情をする。
ライトの考えは、「何事も無理やりにさせるのは面白くない」ということだ。
「良い方法があります」
「ほう、お嬢ちゃんには拷問の技術があるのかな?」
「ええ、結構期待してください」
テルルは、悪戯を思いついた子どものような笑みを浮かべた。



「お嬢ちゃんのやり方は効果的だったよ」
「そうですか」
テルルは、あまり楽しく無い様子でライトの話を聞いていた。
「だが、本人は本当に知らないようでしたね」
「残念です」


ゲールの証言によると、
1ヶ月ほど前の早朝に、繁華街から宿に戻る途中に、右手を発見したという。
ゲールは、右手のあまりの美しさに、自分の棺桶を取り出して、中に入れると共に、周囲に他の遺体がないかと捜索した。
ゲールの探索も空しく、他の遺体を発見することが出来なかった。
やがて、人の往来が激しくなったため、ゲールは探索を中止して、宿に引き返した。
そして、遺体については他の誰かが、別のところに破棄したのではないかとゲールは推測したという。


「さて、どうしますかね」
ライトはため息をついていた。
「どうにもならないでしょう」
アリアハンの警備隊の責任者が口をだす。
「一応犯人は、ゲールということになりますか」
ホープは、確認するように質問する。
「まあ、衛兵に届けることなく、遺体を保管していましたからね」
警備隊の責任者は、ホープの質問に頷いて答える。
「とりあえず、他に遺体を発見した者がいないか、調査の必要がありますね」
ライトは、話をまとめた。



事件については、アリアハン中に広まることになった。
テルルは
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ