プロローグ
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眼を覚ますと其処は何もない暗闇に包まれた空間に俺はいた。
(暗い・・・・・何もない・・・・・何も聞こえない・・・・・此処は何処だ・・・・・)
テレビや映画などで見る宇宙空間のような景色に俺はただ見惚れていた。
すると、何処からか若い女性のような声が聞こえた。
〔聞こえますか・・・私の声が・・・・〕
振り向くと其処には銀色の長髪に、白い服に身を包んだ美しい女性がいた。
「誰だ」
俺はそう尋ねると女性は答えた。
〔私の名はアテネ・・・・貴方達人間からは神と呼ばれる内の一人です・・・・〕
「神・・・だと・・・!?」
俺は顔に出さずに内心驚いた。 それはそうだろう。 いきなり自分の目の前に神を名乗る人物があらわれたのだから。 とりあえず〔アテネ〕と名乗る神に話を聞いてみることにした。
「アテネ・・・だったか、単刀直入に聞くが此処はどこだ。 俺に何の用だ」
不躾な言い方だが目の前にいる人物がまだ神と決まった訳ではない。新手の手の込んだ悪戯か、性質の悪い冗談かと思考を回していた。 考えているうちにアテネが先に話しかけてきた。
〔あなたにはまず謝らなければなりません〕
アテネと名乗る人物が悲しそうな顔をしてそう言った。
〔あなたは、邪神の策略により魂を次元の狭間に跳ばされてしまいました〕
「なん・・・・だと・・・・!?」
そこで俺は衝撃的な真実を知ることになる。
アテネの話によると、邪神と呼ばれる存在に魂ごと肉体をこの次元の狭間に転移させたらしい。
なんでも、自身を現世へ転移するための生贄にするべく、俺以外の人間にもそうしたそうだ。
幸い俺以外の人間は、アテネの尽力もあり未然に防げたらしいが、俺自身は救い出すことができず、アテネの力により魂だけの存在となり現在いる次元の狭間にいるわけだ。
話は眉唾ものだが、今起こっている状態を考えると信憑性が出てきた気がしてきた。
俺は一息つき今後の話をするべくアテネに話を聞くことにした。
「大体の事は理解したが、俺自身はこれからどうなるんだ。」
〔このままではいずれ空間ごと消滅してしまいます・・・・〕
告げられた事実に漠然とした。
だが、俺の考えを遮るようにアテネが次なる言葉を告げた。
〔少々危険を伴いますが、此処とは別次元の異世界に転生すれば事無きを得ます〕
「異・・・世界?」
俺は生きるためアテネの話を聞くことにした。
アテネの力を使い此処とは別の次元にある異世界に転移すれば消滅を免れるらしいが、どんな世界に行くのかはわからないらしい。
〔よろしいのですか?どんな世界に行くのかわかりませんよ・・・・〕
「なにもやらないより遥かにマシだ。俺は生きてみるさ
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