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形而下の神々
ナツキ・エンドーと白い女神
失踪者ナツキ・エンドー
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るほどの教養があってどんな出生してんだよ……。

「出生もハッキリしないとか、あるのか?」
『有るみたいだね。タイチの故郷の日本みたいに、産むなら病院って訳でもないんだよ?人頭税のかかる国だったら脱税のために届けでない事もあるし』

 そ、そういうものなのか……このアメリカに来て随分と経つが、久しぶりのカルチャーショックだ。
「じゃあ写真を持って聞き込みとかか?」

『この人知ってますか〜? ってやるの? 売れっ子作家さんの写真持って? 余裕で皆知ってると思うよ?』

 あ、そうか……。

「じゃあネットの掲示板とかは?」
『……それは良いかもね。流石はタイチだ。それなら目撃情報があるかも』

 
 今度のは割と妙案だったらしく、あっさりと受け入れられた。というかネットが最後に出て来るって、どんだけアナログなんだよ俺たち。
 ちなみに俺は今年で28だし、グランシェもそのくらいだって言っていた気がする。

「おう、じゃあ頼むよ」
『リョーカイ。じゃ、3日後に……』

 といった感じでその日も電話が切れた。





 そして、現在。
 俺はフランス・パリのルーブル美術館に居た。

 待ち合わせの場所はルーブル美術館の入口にあるガラスのピラミッドのモニュメントだ。
 結構有名な建物だが、俺はなんとなくこのモニュメントがお気に入りだ。別に建物の中でも無料だから良いんだが、スリも多いし何より人ごみが苦手なのだ。

 と、以前からここには幾度となく来ていたが、相変わらずもの物凄い観光客の量だ。日本人も多い。

 まぁ、一人で1時間もつっ立ってる東洋人は俺だけだが。

 ……1時間。

「……って誰も来ねぇじゃねぇか!!」
 11月、異例の寒波に見舞われたパリの寒空の下、ヤツが来たのは更に30分経った後だった。


「おーいタイチー!! 待たせて悪かったね」

 そう言いながらやってきた男は、以前あった時とは少し雰囲気が変わっているが確かにグランシェだった。
 190cmもある日焼けした褐色の肌はまさに筋骨隆々というのが相応しいだろう。短く刈り揃えたのか、金色の髪は凛々しい顔に良く似合っている。
 青い線で幾何学模様が入った黒いパンツはどこかのブランドだろうか、薄い色合いのダッフルコートにも、また彼自身にも良く似合っていた。

「いやぁ〜、悪かったって!!」

 俺の怒った顔を見るなりグランシェは軽口。

「てめぇはホントに許さねぇ!!何故2時間も遅れた!!」
 俺は人ごみと同じくらい寒いのが苦手なんだ!!

「あ、いやぁ……」

「約束、忘れてたのか?」

「…………」

 コノヤロー……。

 待ち合わせを忘れてたんだな!?
 俺は忘れ
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