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銀河英雄伝説 アンドロイド達が見た魔術師
食堂政談
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のだが、その時にはじめて同盟政府は連邦政府の側面を持ってゆくようになり、同時に第二のルドルフを出さないように権力の分散も図られる事になる。
 それを主導したのが730年マフィアで、ウォリス・ウォーリック、人形師の二代に渡って統治機構の弄り直しに奔走する事になった。
 当時の同盟の問題点はハイネセンを中心としたバーラト星系一極集中と、名ばかりの星系政府に議会より行政が強いなど問題が山積していた。
 そして、730年マフィアは長い権力闘争と軍事的名声と平和の配当に自らの政治権力を消費する事で、やっと同盟憲章の改正に踏み切る。
 彼らは与えられた政治資産を保身と権力強化に使わず、かつての銀河連邦が陥った独裁という劇薬を飲まない事によって歴史に名を残す事になる。
 もっとも、こんな言葉が残っていたら、その評価も変わっていたのかもしれないが。

「使い捨ての操り人形である事を分かっていて、誰が人形として踊るんだ?
 もちろん、権力は魅力だが、あいにく俺はアッシュビーを超えられなかったのに、ルドルフになれる訳無いだろう?」

「酒も金も女も堪能できるのに、永久に統治するなんて責任負わされてたまるか!
 少なくとも、俺の政治によって同盟が滅んだなんて歴史は見たくない」

 なお、この二人の発言は当時の国防委員長のファン・チューリンが親しい者に語ったとされるが、その真偽は不明となっている。
 話がそれたが二代に渡る評議長の椅子を生贄に捧げた同盟憲章改正によって、権力の分散が飛躍的に強化された。
 軍事予算を削減して目指していた十二個艦隊制を放棄して十個艦隊に留め、その二個艦隊の予算で星系政府に警備艦隊を設置。
 さらに補助金と権限移行で地方分権に舵を切る事で、民主共和制から連法制への移行によって民主主義の芽を各星系に受えつけた。
 なお、星系政府に警備艦隊をつけた上で同盟離脱の権利も与えた事が道化師失脚の一因となるのだが、原作の無防備都市宣言なんて彼からすれば国家の無策にしか見えなかったので強引に押し通し失脚したという裏話もある。
 で、彼の後に出てきたのが友愛党政権なのだから、一時彼は本気で民主主義に固執した事を後悔したとかしなかったとか。
 こうして、各星系政府の力が付いてきた上で、各星系政府間の調停を目的とする評議会を選出し、星系政府から一人ずつ評議員を選出し、そこの投票によって行政府の長である同盟評議長が選出される形に切り替えたのだ。
 これが上院となり下院となる同盟議会は星系の人口比によって議員定数と配分が決められ、立法および予算編成に優越が与えられている。
 評議長は連邦政府行政機関を率いて省庁となる各種委員会を運営するのだが、この委員達の3/5が同盟議会議員によって選ばれ、残りは官僚によって占められる。
 そして評議
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