機動戦士ガンダムSEED
0164話
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アルテミスから脱出して1週間程。アークエンジェルはローラシア級の追撃を振り切るべく息を潜めながら行動していた。そして……
「半径5000に敵艦の反応は捉えられません。完全にこちらをロストした模様」
C.I.C.の通信員からの報告に、ブリッジに安堵の雰囲気が広がる。その様子を俺はブリッジの予備の椅子に座りながら眺めていた。
もちろん俺もローラシア級の追撃を振り切る事が出来たのは嬉しい。だが、補給の問題は何一つ解決していないのだ。
「アルテミスが敵の目を上手く眩ましてくれたと思うか?」
俺と同じく予備の椅子に座っていたムウがそう尋ねてくる。
「奴等でもそれなりに役には立ったという事だな。もっとも、あんな無能は肉壁くらいにしか使えないだろうが」
「おいおい、酷い言い草だな」
そう窘めてくるムウだがその口には苦笑を浮かべており、内心では俺の意見に賛成しているらしい。
「2人共、そのくらいで。ローラシア級がこちらを見失ってくれたのはいいけど、補給の問題は何一つ解決していないんですから」
溜息と共にマリューがそう呟く。
「整備の方にも問題が出てきています。パーツ洗浄機の使用も極力控えるようには言っていますが、それだとて完全という訳ではありません。それにストライクとブリッツ、メビウス・ゼロはこのアークエンジェル防衛の要です。整備用機械の節約をしすぎて実戦で使い物にならなくなっては本末転倒です」
ナタルも溜息を吐きながらそう言ってくる。
戦闘指揮所であるC.I.C.担当としても頭の痛い問題だろう。
「そうなると、アクセルが以前言ってたようにデブリ帯で補給するしかないんじゃないの?」
「そうですね、フラガ大尉の仰る話も分かります。……背に腹は代えられませんし、デブリ帯へと向かいましょう。これなら最初からアクセルさんの言う事を聞いておけばよかったわね」
「了解しました。進路をデブリ帯へと取ります。今更言った所でどうしようもないでしょう。まさか、ザフトにアルテミスの傘を突破する方法があるとは思いもしなかったのですから」
マリューの指示にノイマンがアークエンジェルの進行方向を調整する。
「この人数での補給はちょっと厳しいですね。艦長、へリオポリスの学生組にもお願いしてはどうでしょう?」
「そうね。私が直接お願いしてくるわ。それと……アクセルさん、一緒に来てくれますか? あの子達とは一番長い付き合いですし、軍人じゃない人が一緒の方がいいでしょう」
「俺が? あぁ、別に構わないが」
マリューの言葉に頷く。と言うか、一番長い付き合いと言ったってムウやナタルに比べて数時間程度の違いしかないんだが。となると、軍人じゃなくて傭兵だというのが理由か?
「補給
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