19部分:第三幕その二
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しても」
伯爵もかなり酔っていて頭の回転がごちゃごちゃしている。だから殆ど考えられなかった。しかし言葉は出た。
「実は私はアイゼンシュタイン伯爵で」
「伯爵ならもうおられますが」
「えっ!?」
その言葉に目を丸くさせる。それで酔った頭で考えはじめる。
「ええと」
「こちらに・・・・・・あれっ」
気付けばアルフレートはもういない。実は奥で看守とまた飲んでいるのだ。
「何処へやら」
「ほら、いないでしょう。ですから私なのですよ」
「いや、そんな筈は」
しかし彼は言う。
「おかしいな」
「何か話が見えないのですが」
伯爵も訳がわからなくなってきていた。そのうえで言うのである。
「何が何なのか」
「ええとですね」
所長は少し頭を静かにさせることにした。とりあえずは水を飲んだ。
水を飲んでから話を再開する。まずは正式な身分を出した。
「私はシュヴァリエではありません」
彼は言った。
「ここの所長です」
「そうですね。それは私もです」
伯爵も言ってきた。
「フランス帝国の侯爵ではなくオーストリア帝国の伯爵です」
「それでは貴方は御自身がアイゼンシュタイン伯爵だと名乗られるのですね」
「その通りです」
彼は答えた。
「そしてこれから八日間の拘留に」
「待って下さい」
ここでまた所長が言ってきた。
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