第3試合
【第3試合】 VS幼女超人キン肉マンデヴィリンス(2)
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マリに促され、中へと入っていくミーノ。
後からついてきていた凛香はマリとミーノを追い越し、足早に建物の中へと入っていった。
「ああーッ、なんだかすっごく疲れたよーッ」
建物の奥の方にある小さなリビングスペース。そこで凛香は倒れ込むように寝転がり、体育座りの格好でごろんごろんと転がる。
「凛香ちゃん、お行儀が悪いうえに、だらけ過ぎよ」
「だぁってぇ、本当に疲れたんだもん。いくらマッスルジュエルが戦いのダメージを全部持っていってくれるからって、はじめての超人バトルを連続でだもん……冗談抜きに死ぬ思いだったし、本当に死ぬかと思っちゃったよお」
マリはやれやれな顔をしながらも、凛香とミーノに優しく笑いかける。
「そんなに疲れたのなら、ふたりでお風呂に入っていらっしゃいな」
お風呂と聞いて、ミーノは目を輝かせた。
「お風呂ですぅ?! あああ、とっても久しぶりなのですぅ……放浪の身であった私には、とてつもなく文化的な響きなのですぅ」
ミーノが遠い目をしながら感激している。その裏で、凛香はどんよりした顔をしていた。そして体育座りをしながら、その場から動こうとしない。
「……お風呂、嫌い」
全くもって動こうとしない凛香に、マリは身を寄せる。
「凛香ちゃん?」
優しい笑みを浮かべながら、マリは凛香に声を掛ける。
「……お風呂、嫌いだもん」
両手に力を込めて、凛香はがっちりと膝を抱え込む。
マリは腰をかがめて凛香の膝に手を置いた。そしてさもあたり前のように、軽々と凛香の膝を開いた。
「……ひぃッ」
凛香は小さく悲鳴を上げた。
マリは開かれた膝から顔を突っ込み、凛香に迫力のある笑顔を寄せる。
「凛香ちゃん?」
凛香は断固拒否と言わんばかりに、身体を丸めて亀状態となる。
まるで強固な甲羅に閉じこもった亀のように、がっちりとガードしている凛香。しかしマリはまたも軽々とガードをこじ開けた。そして凛香の顔に触れそうなほどに、マリは笑顔を寄せてくる。
「お風呂、入ってきなさい」
「……ひぃうう、承りましたあ」
凛香は涙目になりながらその場から逃げだすように、風呂に向かって駈け出した。
「はううッ、待って下さいですぅ!」
ミーノは期待に胸を膨らませて目をぎらんぎらんに輝かせながら、凛香の後を追った。
“かぽーーーん”という効果音が聞こえてきそうな、昭和臭たっぷりのレトロなお風呂。
壁と床は一面タイル貼り。つまみをカチンといわせながら回す、いかにも旧時代的な2穴式の湯沸かし器。メタル感が半端ないアルミ貼りの浴槽。
そんな前時代的かつ絶滅寸前な風呂場で、きゃいきゃいとはしゃいでいる裸のミーノ。
「
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