第3試合
【第3試合】 VS幼女超人キン肉マンデヴィリンス(2)
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魔だったかのう」
キン肉マンは宇宙船に向かって声を上げた。
「チビ! ちと月まで行って、そこでハウスじゃ!」
「わおおお〜〜〜ん!」
宇宙船は犬のような鳴き声を上げながら、住之江幼稚園から飛び立った。
「チビには悪いが、月で待つように言ったから、これで大丈夫じゃわい」
「……チビちゃんて言うのですか、あの宇宙船」
マリは飛んでいった犬っぽい宇宙船を、見えなくなるまでいつまでも見つめていた。
「それにしても、えーと……凛子ちゃんの義妹さんの、凛香ちゃんといったかのう?」
「ハイにゃん! そうですにゃん! 凛香ちゃんですにゃん!」
「凛香ちゃんよ……なんというかのう……なんで儂にまとわりついてくるのかのう……」
凛香はまるで子猫のようにキン肉マンにひっつき、まとわりついていた。
「ゴロゴロ、ニャンニャン、ですにゃあん」
「……現役をしりぞいて幾年月、すっかり老いてしもうた儂に、こうまでなついてくる地球人は、この娘がはじめてじゃよ。というか、後にも先にも、この娘しかおらぬだろうなあ」
キン肉マンは頬を赤らめながら、困り果てた顔をしてマリに言った。
「凛香ちゃんはキン肉マンさんと万太郎さんの大ファンですから」
マリは優しく笑みながらキン肉マンの前で正座する。
「そのとおりですにゃん! お父様ぁん!」
凛香はゴロゴロとキン肉マンの顔に頬ずりする。
「ちょ、ちょ、おわあ! 儂がお父様じゃとお?」
「凛香ちゃんの夢は万太郎さんのお嫁さんになることですから」
マリの言葉を聞いて、キン肉マンはぎょっとした。そして残念な顔で凛香を見つめる。
「うーむ、そうは言ってものう、万太郎が惚れとるのは姉の凛子ちゃんだしのう」
ゴロゴロニャンニャンとキン肉マンに甘えていた凛香の顔が、この世の終わりのような絶望の顔に変わる。
「うにゅううう……わかってますよお……わかってるにゃん……ひううううう……万太郎様と凛子お姉ちゃんがお似合いのカップルなんてことは、全宇宙の誰でも知ってることだもん……」
気落ちしている凛香を見て、キン肉マンはおろおろしながら慰めようとする。
「あー、そのー、なんというかのう、こればかりは万太郎と凛子ちゃんの問題じゃからして……」
キン肉マンにまとわりついていた凛香は、いつの間にかキン肉マンの背後にまわっていた。そしてキン肉マンの背中にびったりと身体をひっつける。
「……キン肉マン様ぁ……凛香にお父様って呼ばれるのは、ご迷惑ですかあ?」
「いや、ご迷惑というかなんというか、そう呼ばれる筋合いはないというか、言われはないというか、のう」
凛香はゆるゆるとした動きで、背後か
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