第3試合
【第3試合】 VS幼女超人キン肉マンデヴィリンス(2)
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わひゃああぁッ! お風呂ですぅ! ああ、もう何日ぶり……いや、何カ月ぶりですぅ? ……あああ、全然と言っていいほどにお風呂に入れなかったミーノにとって……冷水を絞ったタオルで全身を拭くのが当たり前だったミーノにとって……文明開化の風が吹き荒れたのですぅ!」
ミーノは涙を流しながら、愛しそうにアルミの浴槽に頬ずりをしている。
そんなミーノを信じられないといわんばかりの顔で見つめる、裸の凛香。
「何カ月もお風呂に入らなくていいなんて……羨ましいなあ」
ぽそりと呟いた凛香に、ミーノは目が飛び出る勢いで詰め寄った。
「ミーノが羨ましいのですぅ? お風呂に入れない日々が、そんなに羨ましいのですぅ? ……凛香様はいったいどれだけ、お風呂が嫌いなのですぅ?!」
「だって、お風呂って面倒くさいし、楽しくないし、すっごく無駄な時間を過ごしてる気がするし……だいたいお風呂に入んなくたって死んじゃうわけじゃないし、立派に生きていけるもん」
ミーノは凛香の両肩をがっしりと掴み、ずいいと顔を寄せる。
数センチしか離れていないミーノの顔は、笑顔であるにもかかわらず、とてつもない迫力と気迫に満ちていた。
「うひゃわああぁッ、マリお母さんより凄いかも……」
「凛香様……今からある少女の物語をお話ししますですぅ……むかしむかし、そんなに遠くない昔、あるところに、重要な任務を受けた、いたいけで可愛らしい少女がいましたですぅ」
どう考えてもミーノのことである。凛香はプフッと吹き出してしまう。
「しょ・う・じょ・が・い・た・の・ですぅ!」
ミーノは更に顔を寄せ、数ミリしか離れていない状態で口調を強めた。
「……ごめんなさい、もうしません」
怯えきって涙目になっている凛香を見て、ミーノはにっこりと笑んで話を続ける。
「で! そのプリティな少女は、この広大な宇宙のどこにいるかもわからない人物を、何の手がかりもない状態で探し始めたのですぅ……そして当たり前のように、なけなしの所持金はすぐに底をつき、食糧調達すら困難な状況に陥ってしまったのですぅ……」
真剣な顔をして語るミーノを、凛香はおっかなびっくりな顔をしながら見つめている。
「そのおしゃまな少女は三度の飯よりお風呂が好き! 食欲よりも入欲……もとい、入浴が好きなほどのお風呂好きでしたので、お風呂に入れない毎日を過ごすのは、お腹がすくのよりも苦痛だったのですぅ」
「そっか、ミーノちゃんは綺麗好きなんだねえ」
ミーノは笑顔のまま、ぎろりと凛香を睨んだ。
「……ごめんなさい、もう言いません」
怯えきって鼻水をも垂らしてしまっている凛香を見て、ミーノはにっこにこに笑んで話を続ける。
「そのお茶目な少女は来る
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