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大切な人
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一つなんだけど、いい感じだろ?デザインを考えたのは俺なんだぜ」

「それを見せ付けるだけか……?何が……したいんだ……」

 そう言うとニヤニヤした顔で答える。

「何って、実験に決まってるだろ。どのくらいの痛みを食らわせれば現実の世界でも死ぬのか試すのさ。さすがに、三百人の実験台に手を出すと屑の上司に怒鳴られるからな。本当に、ゲツガ、お前が来てくれたのはちょうどよかったぜ」

「俺でそいつを試そうってか……?」

「そうだよ」

 玖珂は当然と言うように首を縦に振る。するとユキが玖珂に向けて叫んだ。

「ゲツガ君!知ってるでしょ!あの世界で受けた痛みを現実の肉体にも受けた場合のことを!そんなこと駄目だよ!玖珂さん、止めて下さい!!ゲツガ君を傷つけないで!!」

 そう叫ぶと、玖珂はユキの方を向いてにっこりと微笑む。

「嫌だね」

 そう言って玖珂は何のためらいもなく腕を振り下ろすと槍がゲツガの両方の肩口から突き刺さり脇腹へと貫通した。貫かれた場所からはおびただしいほどの鮮血のライトエフェクトが放出される。

「あああああああああ!!」

「ゲツガ君!!」

 ゲツガはあまりの痛みに絶叫する。槍を抜こうと腕を賢明に動かそうとするが拘束された腕は抜けることはない。しかも、動くことにより体の中を槍が少し動き逆に体を痛めつける結果となる。

「ああああああ!!」

「いいねぇ!!最高だよ!!人の悲鳴はなんといい響きなんだ!!もっと、もっとあげてくれ!!」

 外道が、そう思うが意識が朦朧とする。人間の安全装置としてここまでの痛みを受けると大体は気絶するはずだが、それ以上の痛みで気絶することもできない。

「やめて!お願いだから、ゲツガ君をこれ以上傷つけないで!!」

「だから、いやだって言っただろ?だいたい、ここに紛れ込んだハエなんだ。駆除しなきゃならないのは普通だろ?」

「ああああぁぁぁ……誰が、ハエだ……テメェの……外道……に……くら……べた……ら……俺の……侵入……なんて……可愛いもん……だろう……が……」

「あれ?まだそんな言える口があったのか」

 そう言って更に槍を自分の上に出現させると腕にもってゲツガに近づいた。

「確かに、僕は他人から見たらどう見ても、外道だ。だけど、それのどこが悪い?俺がどんな性格をしていたってお前には関係のないことだろう?」

 そう言ってゆっくりとゲツガの腹に槍を食い込ませていく。

「ああああああああ!!」

「やめてぇえええええ!!」

「これだよ、これぇ!!こういうのが聞きたかったんだよ!!」

 そう言ってぐりぐりと体の中にめり込ませていく。そこからは鮮血のライトエフェクトが絶え間なく流れ出す。


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