第16話 彼女の和室で眠るのは?
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を見つめる万結からは、否定的な雰囲気を感じる事は有りませんから、先ほどまでの俺の受け答えは、彼女を納得させるには十分な答えを返す事が出来たと言う事なのでしょう。
それならば、
【長史。私は、有希の為に資金を残してやりたいのですが……。思念体ごときに情報操作されない口座を用意しては貰えないでしょうか】
未だ、俺が帰った後に、有希が思念体の元に戻らないと決まった訳でもないのですが、それでも、その時に成って慌てるよりは、その前に策を施して置くべきでしょう。
そう考えて、和田さんに【念話】で問い掛ける俺。
【簡単ですが、資金に関してまでは、用意する訳には行きませんよ】
当然と言えば当然の【答え】を返して来る和田さん。流石に、そんなに世界は甘くは有りませんか。
もっとも、これも想定内。
【私の式神に現在、貴金属を錬金して貰って居ます。更に、大地の精霊にも宝石の類の収集を依頼して貰って居ます。それでも足りないのなら、水の精霊に真珠やサンゴなどを集めて来て貰っても構いません】
俺は、和田さんに対してそう【答え】た。
但し、ハゲンチに貴金属の錬成を依頼したのも、ノームに宝石の収集の類を依頼したのも、ラゴウ星に対する結界の構築用の結界材と為すための材料用と、有希の身を護る為の護符作成用の材料の為だったのですが。
それでも、宝石や貴金属を簡単に流せる場所が有るのなら、そちらに流して、この世界の現金を手に入れて置いた方が何かと都合が良いでしょう。
何故ならば、ハルファスから手に入れるよりも、細々とした物なら、現金を使って手に入れた方が容易いですからね、現代社会と言う世界は。
【判りました。忍くんの式神たちが集めた貴金属や宝石類を、我々が適正価格で買い上げた金額を振り込む口座を用意して置きましょう】
これで商談成立。水の精霊にも仕事の依頼を行う事に成ったけど、それでも俺が向こうの世界に帰るまでには、最低でも一週間ほどは有りますから、かなりの資金を集める事は可能だと思いますね。
ソロモン七十二の魔将の一柱。第二十四席ハゲンチの錬金術とは、ソロモン王の巨万の富を影から支え、バビロニア帝国に仕え、大英帝国の繁栄に関与した存在です。
そして、大地の精霊ノームとは、全ての地下から産出される鉱物や資源を司る存在。彼らに集められない大地より産出される宝石など存在しては居ません。
最後の水の精霊ウィンディーネに関しても同じ。水に関する産物。海の幸に関してなら、彼女に集められない物は存在してはいませんから。
この世界の水晶宮側から要求は、おそらく有希の部屋の封印。この目的は達した以上、俺と有希に関しては、これ以上、ここに留め置かれる理由はなし。
そして、俺は未だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ