第16話 彼女の和室で眠るのは?
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した物ばかりでは有りませんからね。
しかし、
「本当に、貴方一人で天魔二星を相手に戦う心算」
……と、まるで最後の確認をするかのように、俺達のやり取りを黙って見つめていた神代万結が問い掛けて来ました。
但し、これは確認を行う……と言う意味よりは、おそらく、俺の覚悟を問い掛けて来た、と言う雰囲気ですか。
そう考えながら、万結と、そして、その問いに対する答えを待つ水晶宮長史和田亮を見つめる俺。
切れ長の双眸に理性と知性の色を浮かべながら、俺の答えを待つ水晶宮長史。
そして、片や、紅玉の瞳には何の感情を浮かべる事もなく、ただ、正面に座る俺を見つめる神代万結と言う名の少女。
ただ、何故だかこの二人。妙に、俺の何処か深い場所に引っ掛かりのような物を感じて居るのも事実なのですが……。
しかし、今は、そんなあやふやな感覚のような物に囚われている暇は有りませんか。
そして、
「これは、間違いなく俺の仕事」
俺は、気負う事なく自然な雰囲気でそう答えた。
そう。この事件は、何らかの神話的追体験を何モノかが俺に求めている結果、起きた事件である可能性が非常に高いと思います。それに西宮に残っていた伝承内では、ラゴウ星は、間違いなく八百比丘尼と一目連に倒されています。
まして、全部、水晶宮の能力の高い存在たちに仕事を丸投げして、俺は有希とふたりで後方の安全な場所でコタツに入ってミカンを食べる、などと言う行為を続けて行く訳にも行きませんから。
天は自ら助くる者を助く。人事を尽くして天命を待つ。俺が出来る限りの事を為さない限り、有希に刻まれたルーンがもたらせる暗い未来を払拭する事はおろか、俺自身が元々、暮らしていた世界に帰還する事さえ叶わなく成りますから。
真っ直ぐにその紅玉の瞳に俺を映してから、微かに首肯く万結。先ほどから、彼女が投げ掛けて来る問いは、俺の覚悟や、考えを問うものばかりのような気もしますが……。
そう思い、改めて神代万結と名乗った少女を見つめる俺。
すっと、と言う表現が一番しっくり来るような、真っ直ぐに背筋を伸ばし、凛とした姿で浅くソファーに座る姿は、何処か硬質の雰囲気を彼女に帯びさせ、それが可憐な、そして同時に作り物めいた美しさと冷たさを与えている。
神代万結と言う名前の少女から感じるのは、矢張り、有希と同じ雰囲気。
確かに、昨夜の出会いの瞬間も、俺は彼女に生命を救って貰ったのですから、彼女からして見ると、俺は非常に危なっかしい人間に見えたとしても不思議では有りませんか。
本当は、あの場の俺には神明帰鏡符により、一度だけ物理攻撃は完全に反射出来たので、あの程度の攻撃などで俺自身が傷付く事など有り得なかったのですが。
そして現在、俺
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