第16話 彼女の和室で眠るのは?
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避難的処置として、当該対象二名の時間凍結作業を現在実行中」
有希により、何か、かなりややこしい状況を一気に説明されましたが、
「つまり、あの和室には、有希が未来から訪れたと思い込んだ、実は異世界からの来訪者のキョンと、朝比奈みくると言う人物が、有希の時間凍結能力で今年の七月七日までの間、時間を止められた状態で存在している、と言う事なのか?」
確か、最初に和田さんが、和室に眠る、と言っていたと思うから、そう聞いてみたのですが……。
更に、未来の自分と同期……。おそらく、この部分が、彼女が未来を知っている原因ですか。
俺の問い掛けに対して、有希は静かに首肯いて答えた。
成るほど。そう言えば、最初に彼女の蓄えていた霊力の総量にしては、消費して行く霊力の量が妙に多いトコロから、有希が何か巨大な術式を行使している最中ではないかと思ったのでしたか。
但し、今の今まで、すっぱり、忘れて仕舞っていましたが……。
「流石に、異世界からの来訪者で有る可能性の高い、まして、その正体がはっきりしない存在を野放しにする訳には行きません。あの部屋は、我々が完全に封印を施し、今年の七月七日以降の状況によって後の判断を行いたいと思っています」
和田さんが、水晶宮長史としての顔でそう言った。
おそらく、今年の七月七日に、キョンと朝比奈みくると言う人物が、この時間の直接の未来から、過去へ旅立つ事は出来ないでしょう。多分、その兆候が感じられた瞬間、この世界の主流派。ヘブライ神族と、この国の主流派。天津神によって、その二人は世界を混乱に導く悪魔やさばえなす悪神として処分されるはずです。
そして、例え、異世界から訪れる存在が居たとしても、時間旅行は彼らの専売特許と言う訳では有りません。今の人類の科学力では不可能ですが、特殊能力として、時間跳躍能力者と言う者たちは存在していますから。
そう、時間跳躍能力者に因って、この世界の直接の過去も、もう一度、元の時間の流れに書き換えられる可能性が出て来たから、俺がこの世界に召喚され、未来を知って居るはずの長門有希が知らない事件が起きつつ有ると言う事ですから。
「代わりの部屋は我々の方で準備しますから、すみませんがあの部屋を、我々に明け渡しては貰えませんか?
今年の七月七日までは我々の手で、和室に眠る御二人については確実に現在の状況を維持します。そして、当然その後は貴女の立ち会いの元、部屋の封印と時間凍結を解除します」
そんな和田さん。いや、水晶宮の現在の代表の申し出に、あっさりと首肯いて答える有希。確かに、彼女があの部屋に固執する理由は有りませんから、この答えは当然ですか。
まして、今年の七月七日まで厳重に封印して、管理を水晶宮が行うと言う事です。その後に付いても、有希
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