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ヴァレンタインから一週間
第16話 彼女の和室で眠るのは?
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るような宝貝が、確か存在していたと記憶しているのですが……】

 そして、更に続ける【念話】での問い掛け。それに、この部分も重要。
 確かに、一時的に仙骨を傷付ける事は可能ですが、相手は不死の存在。その持って居る神話的な裏付けに因り、見ている目の前で、どんどんと回復して行く事は間違い有りません。

 但し、これは俺が元々暮らして居た世界での話。こちらの世界に存在するかどうかは判らないのですが。

【その類の宝貝ならば、確かに存在して居ます。ですが、貴方には必要ないでしょう】

 少し意地の悪い聞き方をして来る水晶宮の長史。
 そして、それは当たらずと雖も遠からず。その宝貝が必要なのは俺ではなく……。

【有希に必要です。多分、私は折れます。そしてその方が、より詳しい伝承の再現と成るのですから、安全にラゴウ星の封印が成功する可能性も高く成ります】

 それに今まで、この手の舌戦に勝てた記憶が俺には有りません。まず間違いなく、俺は折れる。……と言うか、彼女に説得されますから。

 そう考えながら、俺は和田さんの、少し人の悪い【問い掛け】に対しての答えを返した。

 ただ、何故、そんな事を、この目の前の青年が知って居るのかが謎なのですが……。
 まさか、目の前に座る青年が、水晶宮に所属している人間のすべての性格を知り抜いている、などと言う事は考えられませんし、そもそも、瑞希さんやソノが俺の事を知らなかった以上、この世界には俺の異世界同位体はいないと思うのですが……。

「判りました」

 俺の思考が明後日の方向に向かい掛けた事に気付いた訳ではないのでしょうが、今度は実際の言葉で答えてくれる和田さん。
 そして、更に続けて、

「忍くんの依頼に関しては直ぐに用意する必要は有りませんが、有希さんの部屋に関しては、早急に手を打つ必要が有りますね」

 ……と、ひとつ首肯いて見せた後にそう告げて来ました。
 有希の部屋に関して、早急に……。

 和田さんの言葉の意味を一瞬、考える俺。そう言えば、最初の段階で……。

「確か、有希の部屋には、時間凍結されたキョンと、誰かが存在しているとか言っていたような……」

 あまりにも色々な情報が提示されて仕舞った為に、最初の方で伝えられた情報が少し曖昧に成っているのですが、確かに、そんな事を聞いたような気がします。
 俺の問い掛けに対して、有希が微かに首を縦に動かした。そして、

「一九九九年七月七日の夜。当時の涼宮ハルヒとの接触を果たした、二〇〇二年七月七日より来訪した彼と朝比奈みくるが、彼女の持つTPDDを紛失した事に因り未来への帰還が困難と成りわたしに対して救助を依頼。
 その際に未来のわたしと同期を行い、情報統合思念体の判断にて、緊急事態発生に伴う
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