第16話 彼女の和室で眠るのは?
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り。……俺とほぼ同じ考え方で行動し、俺の意志を継いでくれる存在は、ここ水晶宮には何人もいてくれる」
まして、俺には家族は居ません。向こうの世界でも既に天涯孤独の身。
更に、仙術と言う異常な技術を身に付けた、龍種と言う人類に取っては異種と言う存在で、異界からの侵食に対処をするような生業をここ三年の間は続けて来て居る人間でも有ります。
もしもの際の覚悟は、三年前の地脈の龍事件の際に、既に済ませて有りますから。
「せやけどな、有希。今度の事件を経験し、情報統合思念体の思惑に疑問を持ち、ヒトとしての感情や心を芽生えさせ始めた長門有希は、後にも、先にもオマエ一人しかいない」
普通に考えると、被創造物が造物主を疑うようには設計されていないでしょう。まして、この世界に俺が放り出された時の彼女は、自らの存在が消える直前でした。
これは、おそらく被創造物。つまり、長門有希が何らかの形で造物主。情報統合思念体と呼称されて居る高次精神体からのバックアップが消滅した為に、彼女の個体を維持し続ける為の精力。俺の言葉で説明すると霊気の補充が途絶えたからだと推測出来ます。
つまり、思念体に対して疑念を抱けば、彼女は思念体からの霊気の補充が途絶えて、俺と出会った直後のような状態。生体を維持し続ける事さえ出来なく成ると言う事です。
確かに、有希は情報操作が得意だと言いましたが、その能力を与えたのは、他ならぬ情報統合思念体。彼女がいくら、その思念体に対する疑念を隠そうとしても、そんな物を隠し通せる訳はないと思いますから。
自らに反乱を企てる可能性の有る壊れた人工知能を、そのまま放置するようなマヌケは、映画や小説の中にしか存在しません。
そしてここは、現実に存在している世界ですから。
今の彼女は一時的にその情報統合思念体との交信が途絶えて、別のエネルギー供給方法が為されている事により、個人的な感情で行動出来ているに過ぎない状況。……と言えると思いますね。
それで、彼女、長門有希が個人的感情で行動出来るようになった理由は、この事件の始まった段階から、彼女がスタンドアローン状態で行動している事が理由の内のひとつ。
それと、現在、暫定的に彼女の主人格となっている俺の意向が、有希自らの判断で行動する事を強く推奨している事も大きいと思います。
俺は、そんな事を同時に考えながら、更に言葉を続ける。
有希を連れて行けない理由を、彼女に納得させる為に。
そして、同時に、自分自身も納得させる為に。
「はっきり言うが、今のままなら涼宮ハルヒは、この世界から消滅させられる可能性が非常に高い」
かなり厳しい現実を有希に対して告げる俺。尚、この台詞に関しても、和田亮や、神代万
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