第百十八話 瓦その十
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言われている、織田家にとっては最早何でもない相手になっていた。
だから信長も言うのだった。
「降すとしよう、兵を送らずにな」
「人を送ってですな」
「それで降らねば兵を送る、あの家で怖いのは宗滴殿だけじゃしな」
「その宗滴殿が厄介ですな」
「あのご老体とは一度会いたいがのう」
「やれやれ、そこでそう仰いますか」
「うむ、面白そうじゃ」
ここで信長は持ち前の好奇心も見せて笑って言う。
「それもな」
「ううむ、六十年も戦の場に経ち一度も負けを知らぬ方ですが」
「その御仁と一戦交えたいものじゃ」
「果たして出られるか、ですか」
「出た時は戦いたい、その時に生きておられるかはわからぬがな」
それでもだと話してだった、信長は期待も見せた。
そしてそのうえで羽柴にまた言ったのだった。
「では今も茶を飲もうぞ」
「それでは」
こうして信長は今は羽柴と共に茶を飲んだ、そのうえで天下布武への道を着々と進めていくのだった。天下はかなり近付いていた。
第百十八話 完
2012・12・13
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