第百十八話 瓦その七
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での屍なぞ幾らでも見られるがな」
「それでもですな」
「あの病で死んでいくことを見るのは慣れぬ」
信長を以てしてもなのだ。
「到底な」
「ですからそれがしもまた」
「そうせよ、御主は御主だけではない」
羽柴の周りのその温かいものを見ての話だった。
「ご母堂もいれば弟もおるな」
「小竹ですな」
「あ奴も頼りになる、そしてじゃ」
「ねねですか」
「人を大事にするには己も大事でなければならぬ」
だからだというのだ。
「ましてそうしたおぞましい病に罹るではないぞ」
「全く以てですな」
羽柴もここですぐに肝に銘じて、とは言わなかった。それを言わせないものがあの病にはあるからである。
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