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ヘタリア大帝国
TURN62 太平洋経済圏その四
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「何はともあれですけれど」
「これから太平洋共同体の調印式です」
「そうですよね」
「・・・・・・カナダさんもおられますし」
 平良はまだカナダを覚えきれていない。
「では御所に」
「そうさせてもらいます」
「私は韓国殿のところにいますので」
 彼は今も韓国の軍事顧問を務めている。生真面目で的確な指導で評判がいい。
「何かあればお申し付け下さい」
「そうさせてもらいます」
 カナダは平良に告げてから御所に向かった。見れば妹は日本妹達と楽しく談笑している、彼だけが気付いてもらえない。
 御所の中は歴史を感じさせる檜の造りだ。その中に主だった面々が集まっている。
 ハンナはその畳と檜、そして見事な装飾の欄間や障子、丁寧に描かれた絵がある襖といったものを見てこう言うのだった。
「歴史ね」
「そうね。日本の」
「国力ではガメリカは日本には勝っていたけれど」
「これだけはどうしようもないわね」
 クーは女性としてハンナに答える。
「この歴史だけは」
「絶対に手出しはできないわ」
 例えガメリカの四大財閥でもだというのだ。
「この歴史にだけは」
「日本の最大の武器かしら」
「そうなるわね」
 ハンナはその歴史を見ながらクーに話す。
「けれど。この中にいると」
「何か。私達まで歴史の中にいるみたいで」
「不思議な感じになるわね」
「そうね。本当に」
「私達が逆立ちしても手に入らないものも世の中にはある」
「それが今かわかったわ」
 二人で言うのだった。そして。
 フランスはフランスで項垂れる顔でこうシャルロットとビルメに漏らしていた。
「お兄さん最近出番ないよ」
「祖国さん最近活躍してないからね」
 ビルメは何の容赦もなくフランスに対して言う。
「それにここ太平洋だよ」
「欧州じゃねえよな」
「祖国さんの故郷じゃないよ」
「俺は脇役に過ぎないからな」
「そうなるのですか」
 シャルロットは見事なドレスを着ている。彼女はこちらの方が似合っている感じだ。
「祖国さんは」
「ああ、ここでの主役はあの三人でな」
 日本とアメリカ、中国だ。
「俺は脇役なんだよ」
「原始の八人でもですか」
「オフランスだからな」
 欧州だ。やはり太平洋ではない。
「どうしてもそうなるんだよな」
「ですか」
「言っても仕方ないけれどな。けれど俺はこれからどうなるんだよ」
「いいところなしで終わるんじゃないかい?」
 ビルメはまたしても容赦なく言う。
「まあ仕方ないね」
「最初から最後までこんなのかよ」
「決める時に決めればいいさ」
「だったらいいけれどな」
 フランスはフランスでそんな話をしていた。彼もまた悩みがあった、見ればカナダと同じ様な事情であった。
 色々な面子が揃うがその中
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