15部分:第二幕その六
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手に可愛い娘さん達と」
「ふうむ」
歌い終えると拍手が鳴る。公爵はその中で唸っていた。
「お見事」
「有り難うございます」
「それがハンガリーの歌なのですね」
「はい」
奥方は答える。
「その通りです」
「はじめて聴きましたが実にいい」
公爵は賛辞の言葉を続ける。顔もにこやかに笑っている。
「いや、よい歌でした」
「他にも色々といい歌があるのです」
「ハンガリーには」
「そうです」
奥方は答える。
「また何時かお聴かせしたいと思います」
「では。期待しておりますぞ」
「ええ。またの機会に」
「はい」
公爵はその言葉を聞いて奥方の下から去る。そして博士に声をかけるのであった。
「博士」
「何でしょうか」
「次は何でしょうか」
「そうですな」
応えながら伯爵を見てきた。
「侯爵」
「何でしょうか」
彼の言葉に侯爵こと伯爵が応えてきた。
「一つお願いがあるのですが」
「はい、それは一体」
伯爵は二人のところにやって来た。そのうえで問う。
「実はですね。あのお話を紹介して欲しいのです」
「あのお話といいますと」
「私のことです」
「というとあれですな」
「左様です」
にこやかに笑ってそれに応えた。
「宜しいでしょうか」
「ええ、それでしたら」
伯爵は快くそれに引き受けてきた。そして話をはじめる。
「では皆様」
「むっ」
「今度は何かな」
皆伯爵が口を開いたのを見てそちらに顔を向ける。
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