SAO編
episode7 こんな自分にできること
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「くそっ……!」
長引く死闘の中、また一人、ポリゴン片となって爆散した。
ボスの攻撃は、単調でありながら対策のとれない、それでいてクリーンヒットを貰えば一撃でHPを持っていかれる厄介なものだった。鎌を捌き続けるキリト、アスナ、ヒースクリフ。だが、その前衛を務める三人が抑えてくれている間はまだましだ。
「ちっ!また動き出すぞっ!離れろ!!」
振りまわしていた鎌を万歳をするように大きく上げる。
再移動の合図だ。
一旦大きく仰け反った骸骨ムカデが、その無数の足を蠢かせて突進を開始する。だがそれは直線軌道では無く、フロアを隙間なく埋め尽くすような、ジグザグの不規則な動き。
「くっ!」
「クライン!!!」
そして、十メートルを優に超えるだろうその長い巨体。逃げ方によっては「詰み」に追い込まれてしまうものも出てくる。今まさにその状態に追い込まれた、無精ひげのカタナ使いが顔を歪めながらポーチを漁る。追い込まれてしまえば。
「ちっきしょうがっ!」
そのまま。
無慈悲に、暴力的に、圧倒的に。
「う、ぐああああっ!!!」
轢き潰された。
突進攻撃時には、あの恐ろしい威力の鎌は使ってこない。だがその代わり、鋭く尖った無数の足が次々にプレイヤーを踏みつけ、そのゲージを凄まじい勢いで削っていく。クラインは素晴らしい判断力で咄嗟にハイレベルの回復ポーションを煽っていたようで、数秒ごとに回復しているためなんとか致命的なダメージを防いでいるが、この咄嗟の行動が出来なかった仲間がすでに何人もやられている。
そしてクラインを踏みつけながら、ムカデが壁へと登っていく。
「上に行くぞ! 真上に行く前に撃ち落とせ!」
叫んだ男が、投擲用のダガーナイフを次々と投げつける。キリトら数人の『投剣』スキル持ちがピックを放ちまくる。真上に行くまでに一定のダメージを与えられれば、戦闘開始時に見せた跳躍からの全床衝撃攻撃がやってこないからだ。
「っしっ!」
「降りてくるぞ!」
「散らばれっ、鎌から目を離すな!」
今回は何とか成功し、骸骨ムカデが途中であきらめて降り立ってくる。
次の行動は先ほどの蛇行ではなく、今度はすさまじい速度での一直線の突進…鎌攻撃の前行動。
その先には、固まってポーションでの回復していた一団。
彼らを薙ぎ払うべく、高々と振り上げられる禍々しく輝く大鎌。
そして。
「ふっ!」
「おおおおおっ!」
「やああああっ!」
その一撃を、キリト、アスナ、ヒースクリフの三人が迎撃する。
凄まじい金属音と、部屋全体を震わす衝撃。
と同時に、まだHPに余裕のある面々が武器を構え、側面へと突進
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ