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緋弾のアリア 同居人は旅の魔法使い?
第0弾 『あんた、アタシのドレイになりなさい!!』
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「今日は黒――って、何を言わせる気だお前はっ!?」

キンジの叫びもなんのその、ジャンヌは平然と――そうか、ギャップがあって良いじゃないか、なんてセクハラ発言をやらかす。ただ、キンジをからかう為の物だったのか、特に引っ張る事も無くすぐに話を変える。

「そうそう今日の占い、お前の運勢は最悪だったぞ……恋愛運以外はな」

「……なんだ? その含みを持たせた様な言い方は」

「ふふっ、そこで私から“勘”を一つやろう」

フフン、と彼が男だと知らなければ思わず見惚れてしまう様な笑みを浮かべるジャンヌ。が、当然ながら同居人のキンジは彼の性別を知っているので、特に何も思わない。ただ、軽く詐欺だよな、とは密かに思っていたりはするが。

「今日、お前は女性との運命の出逢いを果たすだろう。それこそキンジ、お前の人生を変える様な出逢いを……な」

ピシッ、と指を突き付け得意げに語るジャンヌに、その時のキンジは信じる事なく、馬鹿馬鹿しい……と当たり前のように一蹴した。

だが――その事を、キンジはこの瞬間何故か思い出していた。そして言いたい――

空へとさらわれた彼の顔は、空から降ってきた少女の下っ腹に押しつけられて……その瞬間、二人は閃光と轟音、そして熱風に吹き飛ばされた。

ジャンヌ、一つ聞く――空から女の子が降って来るのが、運命の出逢いなのか?

きっと、困った笑みでこう返ってくるだろう――お前にとっての女難の中身までは、流石に予想できないな、と。









緋弾のアリア 同居人は旅の魔法使い?

第0弾 『あんた、アタシのドレイになりなさい!!』









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「――私の勘以外は、ほんの冗談だったのだが。本当に運勢最悪だったらしいな」

「……あぁ」

そう言ったジャンヌの呆れ気味の視線の先には、ソファーに突っ伏して弱々しく反応するキンジ。もう、疲れ果てた……と言う感じの彼だが、話を聞く限り確実に疲れているのだろう。

まず、彼の不幸はバスに乗り遅れた事だろう。その所為で“武偵殺し(ぶていごろし)”――その模倣犯の、世にも珍しチャリジャックに遭ってしまったのだから。

「だから私は言ったのだ、遅刻するからさっさと行け……とな」

「返す言葉も無い……」

ジャンヌの言葉も無視し、PCのメールをダラダラと確認していた所為で、彼はバスに乗り遅れチャリで通学したのだが……そのチャリには止まると爆発する爆弾に、併走するセグウェイにはUZI
ウージー
――簡単に言うと、短機関銃
サブマシンガン
と言う、ものの見事な『チャリジャック』に遭遇した訳だ。

「ま、ヒステリアのお前なら未だしも、普段のお前には些かキツい状況だな
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