SAO編
episode7 七十五層、合同討伐隊にて2
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
る。俺はいつも通りだ、一撃喰らえば死ぬ戦闘なんていつものこと、緊張はしても動けないなんてことは、いや……
「くそっ!!!」
逡巡に一瞬硬直した俺の、その一歩前方。
先程の重装備男を弾き飛ばした場所に走り込む、黒い影。その両手に構えているのは、透き通るような流麗な水晶色の剣と、ぎらつく肉厚の黒い剣……キリトだ。素早くその双剣を交差させ、振り下ろされる鎌を受け止める。凄まじい衝撃音。
(……だめだキリト!)
キリトのスキル構成は、壁戦士ではない。
ヒースクリフのように受け止めきるには、足りない。このままでは…
「っ!!!」
だが、その俺の思考を読んだような完璧なタイミングで、後ろから真っ白な光が剣と鎌の交差点に突き刺さった。『閃光』だ。愛剣、《ランベントライト》を右手に構え、その突進系ソードスキルで鎌を僅かに弾き、キリトが押し返す。キリトの真横に立った『閃光』が、力強く言う。
「二人同時に受ければ、いける! わたしたちならできるよ!」
「よし、頼む!」
続けて襲いかかる骨鎌を、二人が完全に一致した動作で受け止める。繰り出される、完全にシンクロした右斜め斬り降ろし。さっきは弾かれた二人の剣が、今度はあっちの骨鎌を弾き飛ばした。
「大鎌は俺たちが食い止める!! みんなは側面から攻撃してくれ!」
叫ぶキリトの指示。
同時に数人が応えて突進し、ボスのその人間の背骨のような体に各々の武器を振り下ろす。ほんのわずかに、だが確かに減少するボスのHP。俺も二人の後ろの位置から飛び退り、その体を打つべく拳を構える。しかしその拳が振り下ろされる前に。
「くっ、うわあああっ!!?」
耳を劈くような悲鳴が上がった。
その声の先には、ボスの体節の終端。
ちょうど槍のように尖った尾が、数人のプレイヤーを薙ぎ払うのが見えた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ